2015年3月6日(金)
首相「知らない」は通用しない
補助金企業からの献金 共産党と本紙がくり返し指摘
安倍晋三首相が代表を務める自民党支部が、国から補助金を交付された企業から政治献金を受けていた問題で、安倍首相の「補助金を受けていたことを知らなかったため違法性はない」という釈明に批判の声があがっています。安倍首相は2007年、国会で日本共産党の井上哲士参院議員の指摘を受けたほか、13年12月には本紙が復興予算の流用による補助金問題を報じていて、こうした釈明は到底通じません。 (矢野昌弘)
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井上氏は07年3月、参院予算委員会で2度にわたり、補助金交付先企業からの政治献金問題を取り上げています。
この質問で、安倍首相が代表の「自由民主党山口県第四選挙区支部」が国からの補助金を受けていた「トヨ・システムプラント」から02年に50万円、医療法人から05年に10万円の献金があったことが明らかになりました。
井上氏の追及に安倍首相(当時も)は「問い合わせをしてみなければ、今なんともお答えのしようがございません」「補助金を受けているかどうかはこちら側が確かめようがない」などとのべ、あやふやな答弁に終始していました。
本紙が同支部の政治資金収支報告書(05年〜13年分)を調べたところ、補助金の交付を受けた法人・企業のべ10団体から、236万円(判明分)の政治献金を受けていました。
10年以降にいたっては、毎年“切れ目なく”補助金交付先企業からの献金が行われています。
井上氏からの指摘(07年)への反省や対策をとった様子はうかがえません。
同支部は企業・団体献金を平均年160社を超える企業などから年4500万円を集めています。加えて政党助成金との二重取りで、平均して年6000万円の収入を得ています。
国会や報道で繰り返し、補助金交付先企業からの献金の違法性を追及されながら、いまだに「知らなかった」という安倍首相の言い訳は通りません。
政治資金規正法は、補助金の交付を受けた企業は交付決定から1年以内に「政治活動に関する寄付をしてはならない」(第22条の3)と定めています。安倍首相が「知らなかった」と言ったところで、企業側が違法な献金をしている事実に変わりはないのです。
企業側の違法な行いを安倍首相は、受け入れていることになります。
補助金交付先企業からの献金は税金の還流です。違法献金に真剣な対応を怠ってきた安倍首相の政治責任が問われます。
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