2015年3月11日(水)
TPPが地域を壊す
いっせい地方選の争点に 市民団体が集会
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環太平洋連携協定(TPP)交渉に反対する諸団体が9日夜、東京都内で「地域を破壊するTPPはやめさせよう」と集会を開き、いっせい地方選挙で争点にするよう呼びかけました。
主催は、TPPに反対する弁護士ネットワーク、TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会、主婦連合会が呼びかけた実行委員会で、150人が参加しました。
あいさつした山根香織主婦連会長は、国会決議違反の秘密交渉での「合意」は許されないと批判。「グローバル企業や一部の強いものが支配するような社会にさせてはならない」と訴えました。
京都大学の岡田知弘教授が「TPPは地域になにをもたらすか」と題して基調講演。多国籍企業の利益の仕組みづくりがオバマ米政権のねらいであり、安倍晋三内閣はそれに追随し、外資系も含む企業利益のため、雇用、農業、医療への企業参入、協同組合や農業委員会つぶしをすすめていると批判しました。
パネルディスカッションでは、岡田さんとともに、全国農協青年組織協議会理事で熊本県農協青壮年部協議会の善積智晃委員長、福岡県歯科保険医協会の杉山正隆副会長が報告しました。
善積さんは、TPP交渉で農産物重要5項目が守られるのか不安の声があるとのべ、「国民の食、命を支え、安全・安心を次の世代に引き継ぐ役割を果たすため、TPPの問題を発信する」と発言。杉山さんは、国民皆保険制度が形がい化されると告発。「利益があがる医療は、企業がするだろう。安倍内閣は『患者申し出医療』など保険がきかない医療を増やそうとしている。TPPの先取りといえる」と話しました。
国際連帯活動をアジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長が報告。ニュージーランドでは20カ所・1000人以上、アメリカでは、60労組、医療関係者、議員の地元住民が立ち上がり、TPP交渉妥結に必要な早期一括交渉権(TPA)をオバマ政権に与えない運動が広がっていると話しました。
閉会あいさつで「大学教員の会」の醍醐聰東大名誉教授は「TPPの危険性が明確になった。春の地方選挙では各党が何を考えているか、争点にしよう」と呼びかけました。