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2015年3月22日(日)

戦場は人を殺人者に

イラク帰還兵ら体験語る

米国で集会

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(写真)イラク戦争などの帰還兵ら(手前)の話に聞き入る人たち=20日、ワシントン(島田峰隆撮影)

 【ワシントン=島田峰隆】米首都のワシントン市内で20日、ブッシュ前政権が強行した2003年のイラク戦争などに参加した帰還兵やその遺族の体験を聞く集会が開かれました。反戦イラク帰還兵の会(IVAW)などのメンバーが証言し、約80人の市民が聞き入りました。

 集会は、イラク戦争開始12年に合わせて、米国の平和団体が18日から21日まで共同で取り組んでいる催しの一環です。

 東部マサチューセッツ州に住むケビン・ルーシー氏は、イラク戦争に従軍した息子のジェフリーさんが帰国後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患い、翌年に自殺してしまったと語りました。ルーシー氏によると、戦争から戻ってきたジェフリーさんはお酒を大量に飲んだり、怒りで荒れ狂ったりするようになりました。

 自殺した息子を発見して抱き上げた時の様子を声を詰まらせながら話したルーシー氏。「米国では1日に22人の帰還兵が自殺しているといわれる。無数の家族が私と同じ道を歩かされている」と指摘。「こうした経験を防ぐ最大の予防策は戦争をしないことだ。子どもや孫を守りたいなら今すぐ立ち上がろう。次のジェフリーがあちこちにいるのだから」と訴えました。

 IVAWのマギー・マーティン氏は、2000年代にイラクに派遣され、帰国後から反戦活動に取り組んできた思いを語りました。「帰還兵だからこそ、攻撃の副次的な影響(民間人の犠牲)の実態などを明らかにできる。米社会の軍事文化を終わらせるために自分の役割を果たしたい」と述べました。

 討論では、ベトナム戦争に参加した帰還兵らも発言。「戦場は感情を失った人間をつくる。われわれは殺人者にされてしまう」「“戦争は自由の代償だ”という米社会の考えを変えなければならない」などの発言が続きました。


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