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2015年4月26日(日)

安倍首相 きょうから訪米

新軍事指針、TPP、歴史認識など焦点

経済・軍事での連携強める

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 安倍晋三首相は26日午後、5月3日まで8日間の日程で米国訪問に出発します。28日にワシントンで日米首脳会談を行い、29日には日本の首相として初めて米議会上下両院合同会議で演説します。日本政府は「戦後70年の機会に日米同盟をさらに強化する」としており、経済・軍事で連携を強めようとしています。一方、侵略戦争美化の首相の歴史認識への警戒感も強まっています。

TPP強い圧力

 「同盟強化」の最大の柱になるのが、日本の市場を米国に全面的に明け渡す環太平洋連携協定(TPP)をめぐる協議です。オバマ政権は、TPPをアジア・太平洋地域を重視する「リバランス(再配置)」戦略の中核に位置付けています。19日には甘利明担当相とフロマン米通商代表部(USTR)代表が半年ぶりに会談。首相は「合意は手の届くところまで来ている」との認識を示しました。オバマ政権は来年秋の大統領選が迫る中、日本に強い圧力をかけ、予断を許さない状況です。

 TPPをめぐる両国間の溝は埋まっておらず、フロマン通商代表も、「今回の総理訪米で、最終的な決着の発表は期待していない」(23日、ワシントン)との認識。首脳会談で、どこまで“進展”させるのかが注目されます。

 首脳会談に先立つ27日には、ニューヨークで日米外交・軍事担当閣僚会議(2プラス2)が開かれ、岸田文雄外相、中谷元・防衛相が出席。日米軍事協力の指針(ガイドライン)を18年ぶりに再改定します。

 新指針は日米の軍事協力を地球規模に拡大。自衛隊による米軍支援の分野も大幅に増えます。自民、公明両党はガイドライン再改定という日程ありきで、24日の与党協議で「戦争立法」関連法案の条文を事実上了承しました。安倍政権はこれを、訪米の最大の“手土産”にする考えです。

 米国で、安倍氏の歴史認識に対する厳しい見方が広がっています。

 米民主党のマイク・ホンダ下院議員ら超党派の議員25人は23日、佐々江賢一郎駐米大使に、安倍氏が訪米中に「河野談話」と「村山談話」を引き継ぐことを明確にするよう求める書簡を送付しました。

「沖縄の意思」は

 22日のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議でも、自らの言葉で「日本の植民地支配と侵略」、その「反省」と「おわび」を語らなかった安倍首相。訪米中に予定されているさまざまな会合で首相の歴史認識をただす声が出る可能性もあります。

 「新基地建設ノー」の沖縄の民意をオバマ大統領に伝えられるか―。安倍首相の行動が注目されています。

 17日の安倍首相との会談で、沖縄県の翁長雄志知事は「知事、県民が辺野古移設計画に明確に反対しているということをオバマ大統領に伝えていただきたい」と求めました。

 オバマ氏に沖縄の民意を伝えることにたいし、「それはわからない」(菅義偉官房長官)との冷たい態度をとる安倍政権。安倍首相は民主主義の国の首相としての姿勢を問われることになります。(山田英明)

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