2015年5月1日(金)
日歯連に家宅捜索
自民・石井議員後援会へ迂回献金疑惑
民主・西村参院議員後援会を経由
歯科医師の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)が2013年に法的制限を超える政治資金計9500万円を自民党の石井みどり参院議員(日歯連推薦議員)の後援会に支出していた問題で、東京地検特捜部は30日、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で、東京都千代田区の日歯連の事務所などを家宅捜索しました。一部閣僚ら自民党議員の「政治とカネ」をめぐる疑惑が続出しているなか、またもや捜査のメスが入ったことは、自民党自身の体質と責任が問われます。
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9500万円のうち5000万円は、日歯連の別の推薦議員である民主党・西村正美参院議員の後援会を経由していました。政治資金規正法は、政治団体間の寄付の上限を年間5000万円に制限しており、直接の寄付を避けるために「迂回(うかい)献金」した疑いがあります。
政治資金収支報告書によると、日歯連は13年1月23日、西村議員の政治団体「西村まさみ中央後援会」に5000万円を寄付。同後援会は同日、石井議員の政治団体「石井みどり中央後援会」に同額を寄付し、約2カ月後の同年3月15日、日歯連が同後援会に4500万円を寄付しました。
二つの後援会は、いずれも代表を日歯連の高木幹正会長が務めています。事務所も日歯連と同じ千代田区の日本歯科医師会館内にあり、事務担当者と電話番号も同一です。
日歯連はこれまで「三つの団体は独立した政治団体で、活動目的は異なっている。違法性はない」とコメントしていました。西村氏と石井氏の事務所はいずれも「後援会は日歯連の関連政治団体で、議員の関連政治団体ではない」と釈明しました。
日歯連は、公益社団法人「日本歯科医師会」(日歯)を母体とする政治団体です。13年は自民党の政治資金団体「国民政治協会」にも5000万円を寄付しています。
政治団体間の寄付を年間5000万円までとする同法の規定は、04年に発覚した自民党・旧橋本派への日歯連による1億円ヤミ献金事件を機に設けられました。
自民党では、小渕優子前経済産業相の関連政治団体をめぐる事件で、元秘書2人が4月28日に在宅起訴されています。
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