2015年5月9日(土)
民主にも日歯連マネー
西村参院議員後援会に1億円
2010年 党支部経由の迂回献金?
日本歯科医師会の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の政治資金規正法違反事件で、日歯連は2010年にも、同年7月の参院選比例区で推薦候補とした民主党・西村正美参院議員の後援会に対し、西村氏が支部長を務める政党支部を経由させる方法で、法定上限を超える計1億円を寄付していたことがわかりました。
政治資金規正法は、政治団体間の寄付を年間5000万円に制限しています。東京地検特捜部は4月30日、自民党の石井みどり参院議員の後援会への寄付をめぐり、同法違反容疑で、東京都千代田区の日歯連事務所などを家宅捜索しています。
10年の政治資金収支報告書によると、日歯連は3月30日に、西村氏を支援する「西村まさみ中央後援会」と、西村氏が支部長の「民主党参議院比例区第80総支部」に各5000万円を寄付しています。同支部は、参院選の公示(6月24日)を約40日後に控えた5月13日に、5000万円を同後援会に寄付しています。(図参照)
寄付上限を避けるため
同支部のそれまでの収入は、日歯連から受け取った5000万円以外には、民主党本部からの500万円ぐらいしかなく、規正法の政治団体間の寄付の上限を避けるため、同支部を経由した迂回(うかい)献金の疑いがあります。
一方、西村まさみ中央後援会は、10年3月に設立されたばかり。11年、12年とも収入は50円、18円と利子のみで、10年の参院選だけを目的に設立された政治団体といえます。13年には、石井参院議員を支援する「石井みどり中央後援会」への日歯連の9500万円の寄付のうち、5000万円をその日のうちに迂回献金する“トンネル”役を果たしました。
両後援会の資金を管理
西村まさみ中央後援会、石井みどり中央後援会の代表は、ともに日歯連会長の高木幹正氏で、事務所所在地も東京都千代田区の日本歯科医師会館内。日歯連が両後援会の資金を事実上管理していたとみられます。
日歯連の参院選ごとの“ぐるみ選挙”は、再三指摘されてきましたが、西村まさみ中央後援会の会計責任者を務める砂川稔氏がことし1月23日の日歯連臨時評議員会で、来年の次期参院選の日歯連推薦候補に決定されています。
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