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2015年5月14日(木)

米上院 TPA(大統領貿易促進権限)審議入りを否決

TPP推進に“痛烈な打撃”

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 【ワシントン=島田峰隆】米議会上院本会議(議席数100)は12日、議会が持つ通商権限を大統領に条件付きでゆだねる大統領貿易促進権限(TPA)法案について、審議入りに必要な動議の採決を行いました。動議は賛成52、反対45で、必要な賛成60票に届かず否決されました。


 TPAは環太平洋連携協定(TPP)交渉妥結の前提とされ、オバマ大統領は法案成立を求めています。同大統領は動議可決を目指して議員に説得工作を続けてきましたが、否決されたことで「痛烈な打撃」(ワシントン・ポスト紙)を受けた形となりました。

 与党民主党の議員で賛成に回ったのは1人にとどまりました。同党の支持基盤とされる労働組合や環境団体などは、労働条件や食品の安全基準などが切り下げられるとしてTPPに強く反対しています。同党議員の多くは、雇用支援策や貿易相手国の為替操作への強い制限などを含んだ関連法案を一括して審議するよう求めて、動議に反対しました。

 クーンズ議員(民主)は12日、「否決はTPA推進者への強い警告だ。労働者の権利擁護や為替操作制限なしには前には進まないということだ」と指摘。ブラウン議員(同)は採決に先立って「労働者保護もなしにTPA法案を可決するのは労働者や中小企業への裏切りだ」と述べました。

 一方、議会で多数を占める野党共和党は、早期の審議入りに向けて改めて動議を出す構えです。民主党側にも妥協点を探る協議に応じる動きがあり、今後の展開は予断を許しません。

 米国最大の労組全国組織、労働総同盟産別会議(AFL・CIO)は12日の声明で「TPA法案を今のところ阻止したことは米国の労働者世帯にとって良いニュースだ」と強調。「動議否決は鮮明なメッセージだ」として、外国企業への特権付与などTPPの問題点を指摘しました。

 米消費者団体パブリック・シチズンも同日の声明で「TPP条文案を見た議員の多くはひどい合意だとわれわれに警告している」とし、動議否決を歓迎しました。


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