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2015年5月17日(日)

農協「改革」法案

畠山議員の質問(要旨)

衆院本会議

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 日本共産党の畠山和也議員が14日、衆院本会議で行った農協「改革」法案に対する質問(要旨)は以下の通りです。


 日本の農業に必要なことは、TPP(環太平洋連携協定)受け入れと一体に家族経営と農協をつぶす農協改革ではありません。

 今も多くの農家が必死に農地を守り、農村を守っています。それができたのは、戦後の民主的改革の中で、営農と生活を守るためにつくられた農業協同組合をよりどころに、協同の力で家族経営の農家が農業生産を担ってきたからです。

 日本の農協は国際協同組合同盟(ICA)からも、「60年にわたり日本経済におけるビジネスモデルの多様化に多大な貢献を果たしてきた」と高く評価されています。

 いま必要なことは、こうした協同組合の価値と原則を最大限尊重し、地域における協同の力を発揮できる環境を整備することです。

 法案は、現行法(農業協同組合法)第8条の“組合の事業が営利目的であってはならない”との規定を削除します。なぜ、株式会社とは異なる協同組合の性格を根本的に変えてしまうのですか。

 全中監査を廃止することも重大です。約700の総合農協は、農産物の販売や購買といった経済事業と、信用・共済事業を合わせて行っています。全中監査で会計監査と業務監査を一体に監査してきたからこそ、農協経営の健全性が保たれ、農家の支えとなってきたと政府も認めてきたはずです。これを廃止し、営利企業のための公認会計士監査となれば、不採算部門の経済事業は、結局、切り捨てられることになるのではありませんか。

 法案では、理事の過半を認定農業者か法人の経営に関して実践的な能力を有する者としています。今でも株式会社は農地を借りて認定農業者になることができます。それに加えて法人経営に関する者が理事になれるとすれば、本業が農業とは無関係な者が、理事の過半数を占めることも可能となります。本来地域に根差したはずの農協を、営利最優先の経営に変えようというのですか。

 准組合員の利用規制について、5年間の調査結果を踏まえ結論を得るとしましたが、規制改革会議などからは、規制すべきとの要求が強く出されています。しかし、准組合員は農協事業の日常的な利用者です。規制が必要な不都合があるのですか。

 農業委員会の公選制を廃止して、市町村長の任命制とすることも問題です。農業委員会は地域の農地の守り手として区域内に住所があり、一定の農地につき耕作の業務を営む者とされてきました。それをなぜ、その地域に住所がなく、農業に従事してなくても農業委員に任命できるようにするのですか。

 法案は、農地を取得できる農業生産法人の要件を大幅に緩和し、構成員の半分未満まで農業者以外でもよいとし、役員のうち一人でも農作業に従事していれば要件を満たすとします。

 農地は地域の農家が自主的に管理し、土地改良を重ねて生産力を上げ、代々引き継いできたものです。愛着ある農地を営利企業の新たなもうけのために差し出せとばかりに農業委員会を変え、農業生産法人の要件緩和を進めるやり方で、食料の安定供給を保障し、「日本の美しい農村の風景」を守ることができるのでしょうか。

 いま世界では、規模拡大、企業参入という農業の効率化ではなく、家族農業のもつ多様な価値と、それを支える協同組合の大切さに改めて注目が集まっています。総理は、予算委員会で、「家族経営を大切にしてきたのは自民党という自負がある」と強弁しました。その言葉が真実なら、この法案を撤回し、家族経営を基本にした多様な農家や生産組織などが展望をもって生産できる環境をつくるべきです。


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