2015年6月5日(金)
ウオッチ戦争法案
海外NGO 危険増す
井上氏の質問に防衛相認める
中谷元・防衛相は4日の参院外交防衛委員会で、自衛隊の海外活動を拡大させる戦争法案によって海外のNGO(非政府組織)活動のリスク(危険性)が増す可能性を認めました。日本共産党の井上哲士議員は、政府が法案によって「NGOを助けに行ける」と強調する一方、リスクについて一切説明していないことをあげ、「国民に虚偽の説明をしていたのか」とただしました。
井上氏は、戦争法ができたら海外のNGO活動が困難になり危険が増すと、現場から批判や懸念の声があがっていることを指摘。中谷防衛相が「自衛隊が(NGOの近くに)いることによって危険が増すケースもある」(1日、衆院安保法制特別委員会)とした答弁をあげ、リスク増をきちんと認めるよう求めました。
中谷氏は「確かにNGOからみてそういう点はあろうかと思う。近くでNGOが活動している際は、迷惑をかけないよう調整・配慮しながらやっていく」と述べました。
井上氏は、過激組織ISによる邦人人質殺害事件にかんして、イラク戦争をはじめ米国の対テロ戦争がテロを拡散したことについて広く検証する必要があると強調。岸田文雄外相はISの台頭について「スンニ派の不満やシリアの政治的混乱など複合的な要因がある」としつつ「イラクに対する武力行使が要因を直接つくりだしたとはいえない」と述べ、イラク戦争が主要因との見方を否定しました。