2015年6月17日(水)
「戦争する国」へ癒着
軍需産業上位10社に天下り64人
14年 防衛省・自衛隊
安倍政権は、武器輸出三原則を廃止し、「防衛装備移転三原則」を定めるなど、武器輸出推進への転換や軍事費増などの軍需産業支援策をすすめています。軍需産業トップテン(上位10社)に防衛省・自衛隊の天下りが64人(2014年承認数)にのぼることがわかりました。「海外で戦争する国」づくりに暴走をすすめるなか、与党である自民党への巨額献金とともに軍産政癒着の構図が浮き彫りになっています。 (藤沢忠明)
■2013年度中央調達契約高上位10社の契約高と天下り数 企 業 名 金額 (億円) 人数 (人) 三菱重工業 3165 28 三菱電機 1040 10 川崎重工業 948 5 日本電気 799 3 IHI 483 2 富士通 401 6 小松製作所 294 3 東芝 284 3 JX日鉱日石エネルギー271 0 日立製作所 242 4 〈注〉天下りは2014年 |
天下りの数は、日本共産党の井上哲士議員の質問(2日、参院外交防衛委員会)に防衛省の真部朗人事教育局長が明らかにしたもの。
それによると、護衛艦、新空対艦誘導弾、12式魚雷などを調達し、防衛省の中央調達契約額(13年度)が3165億円で1位の三菱重工業が28人と最多となっています。(表参照)
08〜12年度の過去5年も1位を独占している同社は、12年20人、13年21人と、コンスタントに天下りを受け入れています。
03式中距離地対空誘導弾、シースパローミサイルRIM162などを調達し、1040億円で同2位の三菱電機は10人で天下り数も2位。同社は、12年4月に防衛調達の水増し請求事件で6カ月間の指名停止処分を受けたため、12年は天下りゼロとなりましたが、13年に30人と2年分にあたる天下りを受け入れていました。
契約額上位10社の年間調達額は、合計7929億円で、防衛省全体の1兆2693億円の62・5%を占めています。加盟している石油連盟が献金しているJX日鉱日石エネルギーを除く9社が、13年に自民党の政治資金団体「国民政治協会」に計1億5070万円の献金をしています。
軍需産業は、自民党に巨額な献金をおこなう一方、防衛省から天下りを受け入れ、兵器の契約でもうける―。(図参照)
安倍首相は4日、来日中のフィリピンのアキノ大統領との会談で、武器輸出のための協定締結に向けた交渉を始めることで合意しました。安倍政権は、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、インドなど各国と武器輸出や共同開発に関する協議をすすめ、協定も結んでいますが、国をあげて武器輸出にのめりこんでいくことは、憲法9条のもとで許されないことです。
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