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2015年6月22日(月)

NHK日曜討論 小池政策委員長の発言

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 21日のNHK「日曜討論」で、日本共産党の小池晃政策委員長は、各党の政策責任者と討論し、戦争法案と労働者派遣法改悪案の廃案を主張しました。


戦争法案

海外派兵の根拠は総崩れ 違憲法案の議論自体非常識

 集団的自衛権の行使は憲法違反だとの指摘について、自民党の稲田朋美政調会長は「憲法には違反しない」、公明党の石井啓一政調会長は「従来の憲法解釈との論理的な整合性、法的な安定性は保たれている」と述べたことに、小池氏は次のように反論しました。

 小池 圧倒的多数の憲法学者が違憲だといい、歴代内閣法制局長官も違憲だといっている。これを押し通して、どうして法的安定性が保たれるのか疑問です。(政府は)集団的自衛権を行使できないとずっと言ってきた。憲法違反であることは明白。くわえて一体化の問題です。アメリカが世界のどこであれ戦争を起こした場合に兵たん支援、後方支援することも憲法違反だという指摘がある。戦闘地域まで出ていく場合、武器使用する可能性も安倍首相は認めながら、武器使用は武力の行使と違うんだ、一体化しなければ武力行使でないんだと(言っている)。国会で、武器使用と武力行使の国際法上の違いはないと認めた。一体化しなければ武力行使ではない、これは国際法上の概念ではないと安倍首相は認めたわけです。今回の海外派兵の憲法上の根拠は総崩れになっている。憲法違反の法案は議論すること自体が非常識だ。

「存立脅かす」実例示せず

立法事実なく憲法違反は明白

 安倍政権が集団的自衛権行使容認の根拠としてあげている「国際情勢の変化」について、小池氏は次のようにのべました。

 小池 今回、集団的自衛権を行使できる解釈の変更の唯一の理由が、安全保障環境の変化とあげているわけですよ。ところが、安全保障環境の変化でなんで集団的自衛権が必要なのか、全く説明になっていません。他国が攻撃されたことで国の存立が脅かされる事態が生じる、限定したとおっしゃるけど、いままで世界のどこかで、他国が攻撃されたことでその国の存立が脅かされた事例はあったんですかと私ども(国会で)聞きました。岸田外務大臣は実例をあげるのは困難だといっているわけですよ。法案がなぜ必要かを示している根拠である立法事実がないことになりませんか。解釈を変更した理由が成り立たないんですから、限定したから憲法違反ではないとおっしゃるけど、そもそもの立法事実がない以上、憲法違反であることは明白だと思います。

軍事的対応ばかりで危険

平和外交で信頼関係強めよ

 稲田氏が、朝鮮半島で有事が起こった場合に、米軍の艦船が日本人を輸送することに立法事実はあると述べたのに対して、小池氏は「米軍の艦船で日本人が避難してくる設定は現実にはありえない。いまの話は個別的自衛権の問題でしょ。なんで集団的自衛権なのかが全く説明になっていない」と批判しました。

 小池 安全保障の環境の変化といいながら、(その例として)ホルムズ海峡を出したり、朝鮮半島を出したり。しかし、地理的限定を外して地球のどこにでも出ていくようにしたら、むしろ日本の安全は大丈夫ですかと言いたくなる。安全保障環境の変化というけど、大局的にみれば、ホルムズ海峡でいえば、アメリカとイランの関係は改善しつつある。日本はイランに対して歴史的に深い関係をもっている国です。平和的な外交の力を発揮すべきですよ。それから、朝鮮半島、朝鮮半島というけど、軍事的な対応ばっかり考え、何が起こってもいいんですか。私は非常に危険だと思う。韓国との関係でいえば、日本がやるべきことはアジアにしっかり仲間をつくることですよ。いまみたいに、アジアの国とまともに外交関係ももてないようなことやっていたら日本の安全は守れない。そこが一番日本にとって大事だし、憲法9条を掲げた平和外交で、アジアとの信頼関係を強めることをやっていくべきだと思います。

党派こえ憲法違反の声が――

廃案にするしかない

 稲田氏は「平和外交すごく大切」と反応しつつ、「安全法制は万が一のときを考えて整備していく」と話しました。

 公明党の石井氏が「日本の平和と安全に影響を与える事態が必ずしも日本周辺だけに限らない」と述べたことに対して、小池氏は次のように批判しました。

 小池 地球の裏側で起こったことが何で日本の安全に関わるかという根本的な疑問にまったく答えていないですよ。いままで地理的概念ではないといいながら、地理的制約があるといっていたじゃないですか。なぜ外すのか。今度の法案は枝葉の問題じゃない。根っこが間違っている、憲法違反ですよ。だから、国会の会期が残り少ないわけで、あれこれそういう議論じゃなくて、廃案にするべきだ。党派を超えて、これは憲法違反だという声が上がっているわけで、これはやっぱり廃案にするしかない。

派遣法改悪案

「正社員ゼロ社会にするな」怒りの声が聞こえないか 

 衆院を通過した労働者派遣法改悪法案について、小池氏は問題点を次のように指摘しました。

 小池 いま、国会を取り巻いている派遣労働者のみなさんは怒りの声を上げている。そういう声を聞いたことがあるのかと与党のみなさんに言いたい。「正社員を派遣社員に置き換えてはいけない」という、今までの派遣法の大原則を変えるわけです。(法案で)この期間制限を撤廃することになれば、同じ部署でずっと派遣労働者で回せるわけですから、明らかに正社員は減ります。正社員を派遣労働者に置き換えるという動きが広がっていく。だから労働組合は立場の違いを超えて「正社員ゼロ社会つくっていいのか」と声を上げているじゃないですか。しかも、なんで急いで9月から施行するかというと、10月1日から違法派遣だった場合は、直接雇用の契約を結んだと「みなす」制度、自民党も公明党も賛成して3年前につくった。それが動き出しちゃったら困ると派遣業界から言われたから、それをやめてしまう法案を通すという、労働者じゃなくて、派遣業界の方を向いた法案はとんでもない。参議院で廃案にするしかない。

希代の悪法強行のための会期延長に反対する

 最後に、戦争法案の今国会成立にむけて、与党が国会の9月までの会期延長をめざしていることに、小池氏は「憲法違反の希代の悪法を強行のために会期延長する、言語道断だ。会期延長には反対する。戦争法案も労働者派遣法改悪も廃案。この一点で、野党で力をあわせようじゃないかと呼びかけたい。採決日程ありきで会期を延長する。国民と国会を愚弄(ぐろう)するやり方ではないか」と主張しました。

 野党からも「国民の理解がまったく広がっていない。いったん国会を閉じて出直すべきだ」(民主)、「審議時間だけ積み上げればこの法案を通せると考えるのは大間違いだ」(維新)、「会期の延長はすべきでない」(社民)と批判の声が相次ぎました。


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