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2015年7月9日(木)

戦争法案、採決姿勢

「大詰め」どころか「入り口」

未審議の論点多数

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 自民党の谷垣禎一幹事長は7日の記者会見で、戦争法案を審議中の衆院安保法制特別委員会の現状について、「特段新たな論点が出てきているわけでもない。出口を探っていく時期に来ている」と述べ、採決強行を示唆しました。しかし、憲法学者3氏の「違憲」判定(6月4日)以来、審議は憲法論に集中してきたのが現状で、「大詰め」(谷垣氏)どころか、入り口にさしかかったにすぎません。

 6日の沖縄の地方参考人会では米軍基地との関わりで負担増や基地固定化の批判や懸念が出され、5人全員から慎重審議を求める声が噴出。埼玉でも、未審議論点が40項目以上残されているとの指摘が出されました。

 これを受け8日の審議では、新たな日米軍事協力の指針(ガイドライン)や沖縄の基地問題との関わりを追及する質問が他党からも出されるなど、審議はようやく日米軍事協力の実態論や、個別の法案審査に移りつつあります。

 そもそも今回の戦争法案は、新ガイドラインの日米協議と日本の憲法解釈を“整合”させた産物であり、“ガイドライン実行法”とも呼ぶべきものです。

 しかし、法案の国会提出と同時期に公表されたことが影響し、1997年の前回ガイドラインと比べても、きわめて不十分な議論しか行われていないのが現状です。

 8日の日本共産党の畑野君枝、宮本徹両衆院議員の質問は、2000年代以降に在日米軍再編の中で進められてきた司令部統合などの日米軍事一体化が、戦争法案と新ガイドラインによって平時から戦時まで部隊・作戦レベルにまで引き上げられる危険性を改めて浮き彫りにしました。

 前回ガイドラインの中心要素となっていた戦時の日本の基地利用や民間動員の問題についても、新ガイドラインでは議論が尽くされていません。世論調査で政府の説明不足を指摘する声が軒並み8割を超え、未消化論点が山積する現状で採決に踏み切ることは、国会の役割放棄ともいえる愚の骨頂です。

 (池田晋)


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