2015年7月12日(日)
東京大学人緊急抗議集会
学生・教員、活発に意見交流
大学に戦争は なじまない
立憲主義破壊 許しません
「憲法の番人」は国民です
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「このように学生と共同で決起される集会は、画期的です」(佐藤学名誉教授)。10日、東京・目黒区の東京大学駒場キャンパスで開かれた「安保法案 東京大学人緊急抗議集会」。「東京大学内における行動と議論を前進させる」「あらゆる方向から政府に圧力をかける」「それぞれの立場で学び続ける」などを提起したアピールを採択した同集会では、登壇した教員が口々に、学生たちをたたえました。学生自身の発言も活発でした。
教養学部1年の男子学生は「大げさかもしれませんが、今の政治が続いたら、ぼくたちの子どもがおとなになったとき闇の時代になっているかも。いざというときに権力をしばる立憲主義が、機能しなくなっているかもしれません」と語りました。
文学部博士課程2年の男子院生は「政府は文系学部廃止を言いだしました。立憲主義・平和主義の問題を批判されたくないのでは。大学は公的営造物である前に学問共同体です。大学に戦争は、学問に立憲主義破壊はなじまない」と大学の使命を指摘。
教養学部1年の男子学生は「大学に入ってまだ3カ月のぼくらでも“政府がいうから正しい”ではなく、本や新聞を読み、意見も聞いて、自分で判断することが大事だと思う」と新入生らしい見方を語りました。
「アメリカも残虐なことをしてきた。日本が世界から尊敬される道は、そんなアメリカと手を組むのでなく憲法を守ること」(農学部4年生の男性)など発言が続きました。
集会後、会場内にいた学生も「政府が立憲主義を踏みにじっていることが、自分の研究や学問的立場から許せなかった」(文学部3年男性)との怒りや、「いま話題になっている法案にどんな問題があるのか、知りたくてきた」(教養学部1年男性)など、思いを語りました。
卒業生や教員・職員からも活発な発言が続きました。伊藤真弁護士は「いま立憲主義という、法と知性と理性で政治をコントロールする人類の英知が、根底から覆されようとしています。しかし『憲法の番人』は国民です」と訴え。呼びかけ人の市野川容孝(いちのかわやすたか)教授も「全権委任法でナチスが権力を握る前にも、ドイツでは何度か、よく似た『授権法』が成立していました。“またか”“まだ大丈夫”と思っているうちに手遅れになった。私たちも記憶すべきです」と述べました。