2015年7月21日(火)
戦争法案反対 学者の会見
軍事研究に協力しない誇り
憲法9条は生き続けている
政府の世界情勢認識にズレ
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戦争法案の廃案を求めて20日、東京都内で開かれた「安全保障関連法案に反対する学者の会」の「学者100人記者会見」。呼びかけ人や賛同者の発言(要旨)を紹介します。
池内了さん(名古屋大学名誉教授)
「日本の科学者が戦後、軍事研究に協力してこなかったのは世界に誇るべきこと。それが今崩され、研究費削減で軍事研究に手を出す状況が生まれつつある。自分の研究は人々の幸福のためだけに使ってほしいと宣言する運動を広げたい」
小沢隆一さん(東京慈恵会医科大学教授)
「安保法制で送り出される自衛隊員は軍隊ではないとして捕虜の扱いも受けず、民間人としても扱われず、テロリスト並みの扱いを受けかねない。危険に目をつむって自衛隊を送り出すことは許されない」
益川敏英さん(京都大学名誉教授)
「日本の憲法9条はずっと生き続けている。安保法制は、9条をなし崩しにしようというもの。これは立憲主義に真っ向から反する。私が情勢は明るいと思うのは、鋭い反対世論が立ち上がっていること。これを拡大して、安倍政権に鉄ついを下さないといけない。安倍さんに辞めてもらうまでたたかい続ける」
吉岡斉さん(九州大学教授)
「日本は『普通の国』(軍事大国)になろうとしてきたが、その仕上げが憲法9条の改憲。その中間ステップとして安保法制が出て来た。次は必ず改憲が狙われる。それを阻止するため、安保法制に反対しなければならない」
千葉眞さん(国際基督教大学特任教授)
「怒りと憤りを禁じえません。日本が築き上げてきた立憲主義を破壊する行為です。日本が追求してきた非戦型安全保障、アジアと日本の犠牲を経て生まれたコンセンサスを葬り去るものです」
高山佳奈子さん(京都大学教授)
「私たちは国際刑法学会の人たちからの要請にこたえ、法案反対アピール賛同署名の英語版をつくりました。アメリカ、ブラジル、フランス、スペインなどからも署名が集まっています。さまざまな意見はありますが、憲法を無視してよいという国際世論は存在していません」
酒井啓子さん(千葉大学教授)
「(政府の)世界の情勢認識は大きくズレています。これまで自衛隊は『悪いことはしなかった』ことが『評価』されてきましたが、今後、米国と行動をともにすれば、攻撃対象になります。とても危惧しています」