2015年7月28日(火)
首相補佐官が戦争法案で暴言
「法的安定性関係ない」
礒崎陽輔首相補佐官が戦争法案について「法的安定性は関係ない。(集団的自衛権行使が)わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない」などと立憲主義否定の暴言をして波紋を広げています。政府・与党自ら、集団的自衛権行使を禁じたこれまでの憲法解釈を百八十度覆しながら法案の「法的安定性」を強調してきただけに重大な発言です。
この発言は、礒崎氏が26日に大分市内で行った講演でのもの。この中で礒崎氏は「『憲法解釈を変えるのはおかしい』と言われるが、時代が変わったのだから政府の解釈は必要に応じて変わる」とまで述べました。
日本共産党の山下芳生書記局長は27日の記者会見で礒崎氏の発言について、「戦争法案が法的安定性に欠けるもので、これまでの憲法解釈を百八十度変える『違憲立法』だと政府自ら認める発言だ」と批判。「この法案は、参院審議を通じて、廃案にするしかないことがますます明らかになりました」と語りました。
礒崎氏の発言をめぐっては与党からも「足を引っ張るようなことがないようにしてほしい」(山口那津男公明党代表)などの苦言が出され、参院安保法制特別委員会の鴻池祥肇委員長は27日の理事懇談会で、発言の事実関係や真意を理事会に報告するよう自民党理事に求めました。