2015年7月29日(水)
戦争法案 強行採決抗議、廃案を
憲法研究者有志が声明
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小沢隆一東京慈恵大学教授、永山茂樹東海大教授など憲法研究者有志は28日、参院議員会館内で記者会見し、「安保関連法案の強行採決に抗議するとともに、そのすみやかな廃案を求める」と題した声明を発表しました。賛同者は1週間で204人を超えています。
声明は、同有志らによる6月3日の声明で指摘していた問題▽法案策定までの手続きが立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反する▽内容が憲法9条その他の憲法規範に反する―ことが、法案審議を通して「ますます明らかになった」と指摘。さらに、議会制民主主義に必要な審議時間をとっていないだけでなく、野党の質問に真摯(しんし)な答弁を行おうとしなかったため、「さらに多くの重要な論点が事実上手付かずのまま放置されている」と批判しました。
福島県立医科大学の藤野美都子教授は、「歴史をみれば武力行使が人々の命や生活を守ってきたことはない」と指摘。「今の平和憲法があるからこそ私たちの平和的生存権が守られてきたことを、もっと積極的に評価していくことが必要です。軍事力を強化するより、日本が武力紛争に巻き込まれない積極的な平和政策を行うことを憲法は命じています」とのべました。
藤井正希群馬大学准教授は「武力で平和が保たれるなら、アメリカはすでに平和な国になっているはずだが、実際は、戦争と武力行使連続の歴史で、世界で一番危険な国になっている」と強調。「米国と一体化するほど脅威は増える。今こそ平和主義ブランドを正面に掲げ平和外交に尽くしていくべきだ」と話しました。
会見には三輪隆埼玉大学名誉教授、横田力都留文科大学教授も同席しました。