2015年8月10日(月)
「非核三原則」に言及
長崎平和式典首相あいさつ 広島で批判受け、一転
安倍晋三首相は9日、長崎市で行われた平和式典のあいさつで、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」とする国是の「非核三原則」を堅持すると述べました。
6日の広島市での平和記念式典で安倍首相は、少なくとも1994年以降の式典で歴代首相が必ず言及してきた「非核三原則」にふれず、国是の継承姿勢がないとして被爆者から怒りと不安の声があがっていました。
こうした被爆地からの批判や、高まる戦争法案反対世論に包囲されて、長崎では憲法の平和主義を体現する国是に言及せざるをえなくなったものです。
あいさつで安倍首相は、「非核三原則を堅持しつつ、『核兵器のない世界』の実現に向けて、国際社会の核軍縮の取り組みを主導していく決意を新たにした」と述べました。
式典では、長崎市長や被爆者代表から国会で審議中の戦争法案に対する懸念や反対の意思が示されたものの、首相は一言も言及しませんでした。「憲法の順守」についてもふれませんでした。
長崎でも抗議 首相あいさつ
安倍晋三首相は9日、長崎市の平和式典であいさつを行ったさい、男性の一般参列者から「帰れ、帰れ」という野次を浴びました。
野次は、安倍首相が長崎市の復興に触れて「あらためて平和の尊さをかみしめています」と語った直後に起きました。首相は、広島市での平和式典(6日)でも「戦争法案撤回しろ」など抗議の野次を浴びています。
一方、「長崎平和宣言」で安保法案(戦争法案)の慎重審議を求めた田上富久市長や、同法案について「許すことはできない」と述べた被爆者代表には大きな長い拍手が送られました。