2015年8月10日(月)
原水爆禁止世界大会―被爆70年ナガサキデー集会
長崎からのよびかけ
9日、長崎市で開かれた原水爆禁止2015年世界大会―被爆70年ナガサキデー集会で採択された「長崎からのよびかけ」は次の通りです。
原爆犠牲者はもうわたしたちだけでたくさんです。世界の皆さま、原水爆をどうかみんなの力でやめさせてください。そしてわたしたちが本当に心から、生きていてよかったという日が一日もはやく実現できますよう、お願いいたします。
―渡辺千恵子、第2回原水爆禁止世界大会での訴えから
70年目の長崎原爆の日を、私たちは憲法破壊の「戦争法案」の廃案を求める世論と運動のかつてない高まりのなかで迎えています。
核戦争の残虐さを身をもって体験した被爆者は、「長崎を最後の被爆地に」の声をあげつづけてきました。戦争をくり返さず、平和な日本を次の世代に引きつぐこともまた、被爆者の切実な願いです。過去の植民地支配と侵略戦争への反省と謝罪をあいまいにすることは断じて許せません。
私たちは、ここ被爆地・長崎から、被爆者とともによびかけます―「戦争するな」「核兵器なくせ」と。
核兵器の非人道性を明らかにし、核兵器禁止条約など法的な措置によって「核兵器のない世界」の実現をめざす流れは、もはや押しとどめることはできません。このことは、核不拡散条約(NPT)再検討会議でいっそう鮮明になりました。この流れをあと押ししているのは、私たちの630万余の署名をはじめとする世界諸国民の世論と運動の力です。
広島・長崎の被爆の実相をさらに広範な人びとにひろめ、核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始を求める世論と運動をいっそう強めるならば、「核抑止力」論を打ち破り、「核兵器のない世界」への道を拓(ひら)くことができます。
一人ひとりの市民が行動に立ち上がり、力をあわせて世界と日本を変えていく―こうした民主主義の流れをさらに強め、核兵器の廃絶を必ずかちとりましょう。
「核兵器のない世界」を求める署名運動を、地域ぐるみ、自治体ぐるみで発展させ、核兵器禁止条約の交渉開始を求める巨大なうねりをつくりだしましょう。国連核兵器廃絶デー(9月26日)、国連軍縮週間(10月24〜31日)などを節目に、草の根からの行動を展開し、国際共同行動を成功させましょう。
すべての市町村で「原爆展」や被爆体験を語る集いなどに取りくみ、被爆の実相をひろめましょう。映像、音楽や演劇などさまざまな文化的手段、ソーシャルメディアも活用し、被爆者の体験、願い、闘い、その生きざまを世代を超えて継承しましょう。原爆症認定制度の抜本的改善と国家補償を求め、被爆者援護・連帯の活動をいっそう強めましょう。
非核三原則を厳守・法制化し、「核の傘」から離脱して、核兵器禁止条約締結の先頭に立つよう日本政府に強く求めましょう。
広範な人びとの共同の力で、「戦争法案」を必ず廃案に追い込みましょう。辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」の闘いと固く連帯し、米軍基地の縮小・撤去を求める運動をいっそう強めましょう。日米軍事同盟の強化に反対し、憲法9条を活(い)かした非核平和の日本をつくりましょう。
川内(せんだい)原発はじめ原発再稼働に反対し、「核の被害者をつくらせない」の願いをひとつに、原発からの脱却と自然エネルギーへの転換を求める運動と固く連帯しましょう。
雇用とくらしの破壊、貧困と格差の拡大に反対しましょう。軍事費を削っていのち・くらし・雇用をまもる運動を強めましょう。
学生、高校生をはじめ若い世代が運動の先頭に立っていることは未来への希望です。女性の行動の輪も大きくひろがっています。平和・いのち・くらしをまもる願いをひとつにつなぎ、安倍政権を追い詰めましょう。
ノーモア・ナガサキ
ノーモア・ヒロシマ
ノーモア・ヒバクシャ
ノーモア・ウォー
長崎を最後の被爆地に―
2015年8月9日
原水爆禁止2015年世界大会―被爆70年ナガサキデー集会