2015年8月19日(水)
農協発展阻害の恐れ
参院農水委 参考人が警鐘
紙議員が質問
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農協「改革」法案を審議中の参院農林水産委員会は18日、参考人質疑を開き、農協関係者や農業者、学者ら4人から意見を聞きました。日本共産党の紙智子議員は今までの農協改革とまったく質を異にする改定案ではないかと質問。明治大学農学部の北出俊昭元教授は「今回の法案はボトムアップ(下からの積み上げ)でなく、トップダウン方式。最初に規制改革会議があり、そこで確認された方針から出てきている。現場の意見がくみ上げられていない」と指摘。総合農協の解体や准組合員の利用規制の方針について「農協の健全な発展を阻害する恐れがある」と警鐘を鳴らし、慎重審議を求めました。
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全国農協中央会で「自己改革案」の作成に携わった、広島県農業協同組合中央会の香川洋之助会長は、今回の法案が「だまし討ちのように出てきて戸惑っている。始まりのところで(政府に)不信が残っている」と不満をあらわにしました。
龍谷大学農学部の石田正昭教授は、「根拠のない未来志向の改革案」と表明。公認会計士による監査導入などの問題点をあげ、「どういう監査をするのかなど(中身の)議論は煮詰まっていない」と議論の不十分さを指摘し、国会にその役割を果たすよう求めました。
全国農協青年組織協議会の天笠淳家会長は「家族農業がいい方向にいくのか、悪い方にいくのか正直分からない」と不安を語り、農協に一番期待していることとして営農指導の体制強化と拡充を求めました。