2015年8月26日(水)
農業委員の任命制批判
参考人質疑で陳述
紙議員質問
|
農業協同組合などを事実上解体に導く農協「改革」法案を審議する参院農林水産委員会は25日、田代洋一・大妻女子大学教授らを招いた参考人質疑を行いました。日本共産党の紙智子議員が質問しました。
田代氏は、同法案について、農業委員の公選制を廃止して市町村長の任命制に変更することや、農業委員の定数半減、農地の大規模化をすすめる農地利用最適化推進委員を新設した上で、「意見の公表、建議」を削除していることを批判。「農業委員会は単なる机上委員会となり、『活動』は推進委員会の役割になる。農業委員が形骸化し、地域と地権者に信頼されなくなる」「今後は農地利用の最適化だけをやっていればいいという農業委員会になる」と述べました。
さらに田代氏は、准組合員の事業利用量規制のあり方について、「5年間調査・検討して結論を得る」としていることを取り上げ、「規制を前提とした書きぶり」だと指摘。廃案を求めました。
全国女性農業委員ネットワークの伊藤惠子会長は、農業委員の定数が半減されれば女性の農業委員も大幅に減少し、これまで特に女性委員が担ってきた食育や婚活などの活動が衰えるのではと懸念を表明しました。
紙氏は、「改革」が国際協同組合同盟(ICA)の原則に沿ったものかと質問。青山学院大学の関英昭名誉教授は、「(農協法を)会社(株式会社)法に近づけたいと意図されている」と述べました。