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2015年8月30日(日)

“本社にも責任ある”

フランチャイズ店舗など 労働者への違法行為

米国 労働関係委員会が判断示す

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(写真)最低賃金15ドルへの引き上げを求めて行進する労働者や市民ら=4月15日、ニューヨーク(洞口昇幸撮影)

 【ワシントン=島田峰隆】米国で労働問題の解決にあたる独立行政機関「全米労働関係委員会」(NLRB)は27日、ファストフード業界のフランチャイズ店舗などの加盟店や下請けの店舗で不当解雇などの労働者に対する違法行為があった場合、事業を行う本社にも責任があり、労働組合の団体交渉に応じなければならないとする判断を出しました。

 米メディアによると従来、フランチャイズ店舗などが雇用した労働者について、本社が雇用関係に直接携わっていない場合は、本社を「共同雇用主」とは見なさないとする見解が一般的でした。ファストフード大手マクドナルドの本社などはこの見解を利用して、加盟店舗での労働者の告発を受け付けてきませんでした。今回の判断はこの見解を見直すものです。5人の委員のうち3人が支持しました。

 NLRBは、派遣会社を通じた雇用の増加などを指摘し、「従来の共同雇用主の基準は労働現場の変化と経済環境に対応できていない」と強調しました。

 米各紙はNLRBの判断について、「労組が賃上げや福利厚生の向上へ交渉することを容易にし、ファストフード店舗や加盟店の労働者が個別店舗でなくマクドナルドのような企業と交渉することへ道を開く」(ニューヨーク・タイムズ)、「契約社員や派遣雇用の労働者に本社と交渉する権利を認める判断」(ワシントン・ポスト紙)と指摘しています。

 この問題では、西部カリフォルニア州にあるリサイクル企業で働く派遣社員を全米運輸労組(チームズターズ)が組織しようとし、本社との団体交渉を試みたところ実現しなかったことから、NLRBに訴えていました。

 同労組は27日、「労働者の権利に巨大な変化をもたらす判断だ。雇用主はもはや責任を転嫁したり、抜け穴を使って団体交渉から逃れたりできなくなる」と歓迎しました。

 米国商業会議所は「雇用主が柔軟に対応する余裕を小さくする」と反発しています。


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