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2015年9月22日(火)

安倍政権1000日 立憲主義・民主主義・平和主義を破壊

巨大な運動に追い詰められ

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 安倍晋三首相が2012年12月に首相に就任、自民、公明両党が政権復帰してから21日で1000日という節目となりました。安倍自公政権はこの節目を、自らつくり出した異常な政治状況のもとで迎えました。


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(写真)「『戦争法廃止の国民連合政府』の実現の呼びかけ」を発表する志位和夫委員長=19日

基本的土俵壊す

 安倍政権と自民、公明の与党は、戦争法を19日に強行成立させ、立憲主義という近代民主政治の基本的土俵を破壊しました。

 日本の政治は、政治の基本ルールを権力者が意図的暴力的に破壊するという、かつてナチスドイツが実行したような無法状態に陥っていると言って過言ではありません。政権は、戦争法成立後も「反対多数」の民意を無視し、その実行にのりだす姿勢です。

 日本国憲法前文は、民主主義、人権尊重主義とともに、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」という、強い平和への意思を込めて「この憲法を確定する」と宣言しました。とくに平和のために権力を制限する、立憲平和主義ともいうべき立場が示されています。平和的生存権、9条の戦争放棄・戦力不保持規定はその具体的現れです。

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(写真)参院安保法制特別委員会での強行採決=17日

 この憲法のもとで、集団的自衛権の行使、米国の戦争への兵たん支援の全面的拡大、紛争地域での治安維持活動、平時からの米軍部隊の防護など、世界中で米軍の戦争にいつでもどのような形態でも協力する―。戦争法は、9条と平和主義、立憲主義を全面破壊するものであり、実質的な改憲です。国民の憲法改正権限を奪う国民主権の蹂躪(じゅうりん)です。

 戦争法案審議の「最終局面」で、参院安保法制特別委員会の締めくくり総括質疑を一方的に打ち切り、強行採決したことに象徴されるように、戦争法は質疑そのものに耐えられないほどボロボロでした。安倍政権は民主主義をズタズタに引き裂きました。

野党共闘で結束

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 一方で、安倍政権は戦争法をつくると同時に、安倍政治に怒りを燃やす「憲法守れ」の巨大な人間の鎖を生み出しました。

 「九条の会」をはじめ、長年平和運動に取り組んできた草の根の人々に加え、学生、学者、子どもを持つ母親や若手弁護士、国際支援に取り組むNGOなど、広範で個人レベルで立ち上がった市民による巨大な運動が全国的に形成されました。

 東日本大震災・原発事故後の、原発再稼働反対、秘密保護法反対、沖縄・米軍新基地建設反対などの世論の高揚も、そこに合流し拡大しています。

 強力な国民運動を背景に、日本共産党、民主党、維新の党、生活の党、社民党などによる野党共闘が最後まで強い結束を維持し、政権・与党とたたかったことは、戦争法案をぎりぎりまで追い詰める力となりました。

国民各層に衝撃

 安倍首相の1000日目は、異常な安倍政治に対決する一大国民運動の形成という激動的局面にあります。

 この中で、日本共産党の志位和夫委員長は、「戦争法廃止の『国民連合政府』の実現」と「安倍政権打倒の新たなたたかい」を、戦争法強行成立のその日にいち早く提唱しました。異常な政治状態を回復し、立憲主義と民主主義を取り戻すため、日米同盟に対する態度など大きな政策的違いを置いて、他党との選挙協力を進める立場を表明。国民各層と政界に衝撃を呼んでいます。国民とともに進む立憲、平和、民主の統一戦線の推進は新しい日本への大きな可能性を秘めています。

 かつてない国民的結集を呼び起こした戦争法の強行が、「1強」といわれる安倍政権のターニングポイントとなることは間違いありません。(中祖寅一)

内閣支持率急落

 「第2次安倍内閣発足以降、初めて不支持率を下回った」(「読売」21日付)、「第2次安倍内閣の発足以降、最も低かった」(「朝日」同)―。戦争法の強行成立を受けて全国紙・通信社が実施した世論調査では、安倍内閣の支持率急落ぶりがわかります。

 第2次安倍内閣の発足(2012年12月26日)直後に行った世論調査の支持率は6割台が大半でしたが、約1000日間で支持率・不支持率は完全に逆転し、いまは3〜4割台。「日経」調査(21日付)では原発再稼働を「進めるべきではない」が56%、17年4月からの消費税率10%への引き上げに「反対」が57%と、いずれも賛成を大きく上回っています。


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