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2015年10月1日(木)

金権無反省の構図

11年前と同じ 日歯連 ⇒ 自民へのカネ

首相側にも120万円分

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 日本歯科医師会(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の前会長高木幹正容疑者(70)らが、政治資金規正法違反の疑いで逮捕されました。日歯連は、11年前にも自民党旧橋本派に対する日歯連1億円ヤミ献金事件を引きおこし、同法の規制が強められました。金権・腐敗事件への無反省というしかありません。 (藤沢忠明)


 日歯連1億円ヤミ献金事件とは―。

 2004年に当時の日歯会長が01年、東京都港区の料亭で橋本龍太郎元首相に1億円の小切手を渡したにもかかわらず、日歯連や旧橋本派の政治団体「平成研究会」の政治資金収支報告書に記載がなく、日歯会長らが政治資金規正法違反で逮捕されました。平成研究会の会長代理だった村岡兼造元官房長官らも起訴され、いずれも有罪が確定しました。

 この事件を契機に、規正法が05年に改正され、政治団体間の寄付に、年間5000万円の上限が設けられました。

 今回の事件は、この上限を上回る寄付を自民党の石井みどり参院議員側にするために、民主党の西村正美参院議員の関連政治団体「西村まさみ中央後援会」をトンネル役にして、計9500万円を寄付したというものです。(図参照)

 また、日歯連は10年にも西村まさみ中央後援会に5000万円寄付したのに記載せず、西村氏が代表を務める「民主党参議院比例区第80総支部」に寄付したと虚偽の記載をした疑いが持たれています。

 巨額献金を抑えるための規定のきっかけをつくった日歯連が、上限規制を逃れるために脱法行為をしていたことは、きわめて悪質です。

 ことし6月、日歯会長に就任するまでの約4年間、日歯連会長を務めた高木容疑者は、政界との関係が深く、「職域候補をしっかり立てて政治に関わっていこう」と主張してきました。自民党も、参院選のたびに、ほぼ毎回、日歯連の組織内候補を比例区に擁立。石井議員も、13年の参院選の比例区で個人名得票12位の約29万4000票を獲得、再選を果たしています。日歯連はことし1月の臨時評議員会で、来年の参院選の推薦候補を決定しています。

 安倍首相は、日歯連の13年の政治資金収支報告書によると、「安倍晋三後援会政経セミナー」名目のパーティー券を計6回、計120万円分購入してもらうなど、日歯連とは深い仲です。安倍首相の責任も問われています。

図

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