2015年10月11日(日)
“被爆証言ありがとう”
欧州遊説 難民の生徒らと交流
スウェーデン
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【イエーテボリ(スウェーデン)=秋山豊】原水爆禁止日本協議会(日本原水協)「ヒバクシャ遊説 in ヨーロッパ」北欧コースの代表団は9日、さまざまな事情から教育を受ける機会を失った成人生徒の通う高校を訪れました。イラクやシリアなどからの難民を含む約90人の生徒が、原爆被害を生きのびた東友会・山田玲子副会長の証言にわが身を重ね、クラス中から日本語で「ありがとう」の声がわき起こりました。
この学校は労働組合などが運営しており、生徒はほぼ無償で授業を受けています。
11歳のときに広島で被爆した山田さんと日本原水協の齋藤紀(おさむ)代表理事の訴えに、生徒たちは次つぎと「核兵器全面禁止のアピール」署名に応じます。「僕はまだ署名していない。署名用紙がほしい」と周囲に訴える生徒も。あっという間に署名用紙が足りなくなり、裏面にまで名前がびっしりと書き込まれました。
山田さんに「原爆で親しい人を奪われた体験をどう乗り越えたのですか」などの質問が続きます。「核兵器廃絶の願いをみなさんに伝えたい。この思いで証言を続けてきました」。声を詰まらせながら答えた山田さんを抱きしめる女性生徒もいました。
山田さんの手を握ったコリン・ルマーさん(23)は「道のりは困難かもしれません。しかし、多くの人がみんなで力を合わせれば必ず核兵器はなくせると思います。私も一緒にたたかいます」と語りました。