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2015年10月14日(水)

マイナンバー絡み収賄容疑

お手盛り利権の温床 制度の検証必要

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導入費用だけで3000億円、ランニングコストに年300億円―。厚労省室長補佐の収賄容疑での逮捕は、この巨大な金くい虫、マイナンバー制度が賄賂にまみれた利権の温床であることを浮き彫りにしました。

 この1年間だけをみても、厚労省はマイナンバー関連の事業を4件、契約しています。その総額は12億2600万円余。日立製作所やNTTデータといった大手が受注していました。いずれも競争入札による値下げ効果が働かない随意契約によるものです。もともと、汚職が起きたシステム設計・開発は「値段があってないようなもの」(IT企業幹部)です。受注業者にとってそのうまみは、はかりしれません。

 一方で、最近の世論調査でもマイナンバーに「不安だ」という答えが79%(JNN)という高さです。

 情報漏えいの危険や国民監視と徴税強化に使われることへの懸念が根強くあります。

 それにもかかわらず、政府は、今月からの施行と、利用範囲の拡大に前のめりです。

 政府が“お手盛り”で進めるマイナンバーの利用構想は、企業の意向も働きやすく汚職や利権が入り込みやすいものです。今回の事件を受けて、こうしたIT利権の解明が求められます。そして、マイナンバーを本当に始めていいのか、いま一度、検討すべき時です。

(矢野昌弘)


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