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2015年10月25日(日)

英、最賃違反115社公表

「守らない雇用者は労働者・家族の生活損なう」

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 【パリ=島崎桂】英国政府は23日、最低賃金の支払いに違反した国内企業115社を公表、これら企業への罰則と併せ、最賃の順守を求めました。このうち、英衣料・装飾品大手モンスーン・アクセサライズでは、従業員1438人の給与が最賃を下回っており、総額10万5000ポンド(約1950万円)が未払い状態にあることがわかりました。


労組「氷山の一角」

 モンスーン社は業務時間中の従業員に対し、自社製品の着用を義務化。その購入費は給与から差し引かれていました。結果、賃金の低い若年労働者を中心に、多くの従業員が最低賃金の時給6・7ポンド(約1250円)を下回っていました。

 同社は24日の声明で、「早急に対策を取る」と述べ、再発防止を約束しました。

 英政府は、最低賃金を下回る従業員が1人でもいた場合、その企業名を公表しています。今回の発表ではモンスーン社のほか、仕出し業、社会福祉関連企業、ホテル業などで1〜18人の従業員が最賃を下回り、未払い賃金は総額約39万ポンドに上りました。

 企業による最賃順守を目的とした企業名の公表は、2013年に始まったもの。これまでに約400社、総額120万ポンドの未払いを公表したほか、これら企業に対し、総額51万ポンドの罰金を科しています。

 ボールズ民間企業相は今回の発表にあたり、「最低賃金を守らない雇用者は、低賃金労働者とその家族の生活水準を損なう」と指摘。「来年4月には、年間で900ポンドの賃上げに相当する最低賃金を導入する」と述べ、全ての労働者が最賃を受け取る環境づくりへの意欲を示しました。

 英最大労組、労働組合会議(TUC)のオグレディ書記長は今回の発表を歓迎する一方、こうした企業は「氷山の一角にすぎない」と指摘。「最低賃金をごまかす企業に隠れ場所を残すべきではない」として、最賃支払いのさらなる徹底を求めました。

 TUCは最賃違反の防止策として、▽労働者の権利教育向け予算の増額▽賃金監視にあたる調査員の増員▽違反企業への罰則強化―などを求めています。


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