2015年11月5日(木)
「黒い雨」区域拡大して
64人 被爆者手帳求め提訴
広島地裁
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原爆投下後に降った放射性降下物を含む「黒い雨」を浴び、健康被害を受けたとして、広島県内の70〜90歳の男女64人が4日、県と広島市に被爆者健康手帳などの交付を求めて広島地裁へ提訴しました。原告らは国の援護対象区域の外で「黒い雨」を浴びており、対象区域の拡大を求めています。
訴状によると、県と広島市が2008年に大規模な調査を実施した結果にもとづき、県と広島市や周辺自治体が10年7月、対象区域を約6倍に広げるよう国に要望したのに対して、国は12年7月、科学的・合理的な根拠がないとして要望を拒否。国の非科学的・不合理な態度は違法だとして、64人の被爆者健康手帳などの交付申請を県や広島市が却下した処分を取り消すよう求めています。
原告団と支援する会が提訴後に開いた報告集会には約90人が参加し、原告団の高野正明団長は「黒い雨の会の運動を始めて37年目にして、訴訟を立ち上げた。必ず勝訴を勝ち取る」と決意表明。弁護団の廣島敦隆団長は「この訴訟は、核兵器の廃絶を求める目標とともに、戦争法に反対するという大きな意義がある」と報告しました。