2015年11月6日(金)
核兵器廃絶の確約を
パグウォッシュ会議閉会 「長崎宣言」を発表
世界中の科学者らが核兵器廃絶などをめざして集まり、長崎市で1日から開かれていたパグウォッシュ会議の第61回年次大会が5日、「長崎宣言」を発表し、閉会しました。宣言では、核兵器保有国に対し、「核兵器の廃絶を確約しなくてはならない」と求めています。
宣言は、「世界の政治指導者に対し、被爆者の叫びを受け止めるよう強く訴えます」と述べ、すべての核保有国が核兵器システムの近代化計画を中止するとともに、最も重要なのは核兵器の削減にとどまらず廃絶の確約だと強調しています。「核の傘」に依存する非核保有国にも核軍縮を支持し、自身の安全保障政策を転換しなければならないとしています。
国々と市民社会、国際組織が連携して核兵器の法的禁止を目指す「全世界的なイニシアティブ」が重要な役割を果たすと指摘。福島第1原発事故にも言及し、「科学者の社会的責任はかつてないほど重大」としています。
閉会後の会見で、組織委員会の鈴木達治郎委員長は大会を振り返り、「長崎を最後の被爆地にとの思いでまとまった」と強調。参加した各国の科学者らは「宣言は核兵器廃絶に向けた一つの柱となる」と述べ、「各政府に圧力をかける世論が重要。市民社会と連携し、核兵器の禁止に向けて行動したい」と語りました。