2015年12月18日(金)
大銀行 自民に献金再開
みずほ先頭に18年ぶり
政策買収の意図隠さず
三大メガバンクの先頭を切って、全国銀行協会(全銀協、正会員120行)の会長行でもある、みずほフィナンシャルグループ(FG)が、自民党への政治献金を18年ぶりに再開する方針を固めたことが17日、わかりました。18日の取締役会で正式に決定し、年内にも約2000万円を寄付する予定。三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループも追随する見通しです。
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銀行業界は、不良債権処理のため、国民の税金である公的資金が投入されたことを受け、1998年から献金を自粛してきました。
全銀協の佐藤康博会長(みずほFG社長)が献金再開に触れたのは10月15日、会長会見でのことです。
前々日の13日に、経団連が正副会長会議で政治献金を呼びかける方針を決定したことを受け、佐藤会長は、経団連の「企業の社会貢献の一環」との考え方を踏まえる必要があるとして、「各行が自主的な判断のもと、独自に検討すべき案件」とのべました。
11月19日の会見では、「一つの政党に献金するというのはどうなのか」とただされ、「その政党の持っている政策と、その政策が日本経済に与える影響、金融機関の立ち位置をしっかり見極めて判断すべきだ」とのべ、事実上、自民党への献金を想定していることを明らかにしました。あからさまな政策買収であることも隠していません。
みずほFGは、本紙に「献金については検討中」としました。
今回の献金再開は、経団連の呼びかけとともに、公的資金を完済したことが動機とみられます。もともと企業献金はカネの力で政治をゆがめるものですが、公共性の高い銀行が献金することは、二重三重に問題です。
しかも3行は、政治資金収支報告書(2014年)によると、自民党にあわせて70億円を超す融資をしており、自民党への献金は、借金を棒引きするものだ、と批判の声もあがっています。