2015年12月19日(土)
食品価格 農林漁業者の取り分減少
農林水産省統計 輸入品が増加
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最終消費段階の食品価格における国内の農林漁業者の取り分が減り続け、輸入品が取り分を増やしていることが、農林水産省が18日公表した統計で分かりました。同統計は「食用農林水産物の生産から飲食料の最終消費に至る流れ」(概数値)で、日本共産党の紙智子参院議員が国会審議などを通じて早期公表を強く求めてきたもの。
同統計によると、2011年の「最終消費からみた飲食費」(食品価格)は、合計で76兆2710億円。そのうち、国内の農林漁業者の取り分は9兆1740億円で、05年から2・1%減少。1990年の13兆2170億円から減り続け、21年間で30・6%も減少しました。
他方、輸入食用農林水産物は05年の1兆2080億円から11年の1兆3030億円へ7・9%増加。輸入加工食品は5兆4700億円から5兆9160億円へ8・2%増加しました。
同統計は、総務省など10府省庁の「産業連関表」を基に農水省が試算して5年間隔で公表しています。今回は食品産業分類の変更に伴い、過去にさかのぼって再推計しました。
農家所得増やす施策が肝要
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紙智子参院議員の話 公表された統計は、農家所得が一段と下がっていることを示しました。政府の農政は、「農業所得の倍増」などと一般的な言い方に終始し、農家所得を増やす具体策を示していません。それがないと、将来に希望を持てません。
その一方、輸入品の比重が増えています。このうえ、環太平洋連携協定(TPP)が加わるとすると、政府の楽観的な評価でも、輸入農産物が増え、農産物価格の下落が避けられません。
政府の農政の方向性が問われています。TPPから撤退することはもちろん、農家所得を増やす具体策がなければなりません。日本共産党は、そのために力を尽くします。