2015年12月27日(日)
16年度予算案 宇宙軍事利用進む
スパイ衛星 4年連続増
宇宙の軍事利用が広がっています。安倍晋三政権の2016年度予算案は、情報収集衛星(軍事スパイ衛星)に15年度当初比5億円増の619億円を計上しました。第2次安倍政権発足後4年連続の増額になります。15年度補正予算案では105億円を計上しています。15年度の本予算614億円との合計では719億円に達します。安倍政権は毎年度、補正で情報収集衛星予算を増額しており、16年度も補正で増額される可能性があります。
戦後、非軍事目的に限定されてきた日本の宇宙開発は、08年の宇宙基本法、12年の宇宙航空研究開発機構法(JAXA法)改悪で軍事利用に道が開かれ、予算面でも軍事衛星に手厚い配分が進められてきました。
今年1月に策定された第3次宇宙基本計画は、情報収集衛星について現在の4機体制を大幅に拡充し、10機の整備計画目標を打ち出しました。「宇宙安全保障の確保」を中心に据えた同計画について内閣府の小宮義則宇宙戦略室長は、「安倍総理から、わが国の安全保障政策を十分に反映し、かつ、産業界の『投資の予見可能性』を高め宇宙産業基盤を強化するため」のものとするよう指示を受けたと明かしています(『時評』5月号)。
安倍首相の直接の指示のもと、宇宙の軍事利用と宇宙産業の強化が国策として位置づけられ、宇宙軍拡が進んでいます。
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