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2015年12月28日(月)

米軍基地網強化を検討

ISテロ対策を理由に

米紙報道

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 【ワシントン=島田峰隆】イラクやシリアを拠点とする過激組織ISが世界各地で影響力を強めていることに対し、米国防総省はアフリカ、南西アジア、中東で米軍基地網を建設・強化し、情報収集や掃討作戦に活用する新たな計画を検討しています。政権内部には、アフリカ大陸での大規模な米軍プレゼンスには現地に懸念があるとの慎重な見方もあります。米紙ニューヨーク・タイムズがこのほど報じました。


「外交政策が軍事化」と警戒

 今年3月にはナイジェリアや周辺諸国でテロを繰り返す過激組織ボコ・ハラムがISへの忠誠を表明。リビアでは二つの「政府」が並立する無政府状態の中でISが支配地域を広げています。そのほか、エジプトのシナイ半島、ソマリア、アフガニスタンなどでISに忠誠を誓う組織が活動しています。国際テロ組織アルカイダ系のテロ組織も各地で活発となっています。

 カーター米国防長官は今月1日、下院での公聴会で「これらの脅威を1カ所に封じることは困難だ。米国はシリアやイラクへ行き、またテロ組織が存在する他の場所でも攻撃しなければならない」と語りました。

 同紙11日付の報道から浮かび上がる米軍の構想は、すでに数千人規模の米兵が駐留しているアフガニスタンのジャララバード、イラクのアルビル、アフリカのジブチなどの基地を、500から5万人の兵員を擁する「ハブ」(中心的拠点)として拡張・整備するというもの。さらにエチオピア、カメルーン、ブルキナファソ、ニジェールなどですでに使用している飛行場などを「スポーク」(地方拠点)とし、全体を「一貫したシステム」として運用します。

 同紙によると、カーター長官は、別の演説で、これらの基地が「テロリストやその他の種類の一連の危機に対する前進配備」となり、「単独での危機対応、対テロ作戦、重要標的への攻撃を可能にする」とのべていました。

 同紙によると、計画はまだ「初期段階」で、ベテラン外交官などからは、「国防総省が、軍事援助をほしがる外国政府と新たな関係を結ぶ中で、米国の外交政策が徐々に軍事化しつつある」と警戒の声があがっています。

 すでに今年5月、米国とスペインは、アフリカをにらみスペインのモロン基地に駐留する米兵の数を最大3500人にする軍事協定の改定を実施。ナイジェリアに隣接するカメルーンへの米兵300人と無人機の派遣などもおこなっています。


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