2016年1月20日(水)
経団連 ベアに消極的
「経労委報告」発表 格差是正を敵視
経団連は19日、2016年春闘の経営側指針である「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)を発表しました。春闘での基本スタンスを「2015年を上回る『年収ベースの賃金引上げ』について、前向きで踏み込んだ検討が望まれる」と明記。しかし、「収益が拡大した企業」に限定したうえ、月例賃金の引き上げ(ベースアップ=ベア)は選択肢の一つとする消極的な姿勢を示しました。
「賃金引上げの方法」について「月例賃金の一律的な水準引上げ(全体的ベースアップ)に限られず」、定期昇給の実施、賞与・一時金の増額、各種手当の見直しなどの選択肢があるとしました。
連合が賃上げ要求を昨年の「2%以上」から「2%程度を基準」としたことについて、「幅をもたせた」として評価。中小組合の要求である「総額1万500円以上」について、大手との「格差是正」という考え方は「納得感が得られにくい」と敵視しました。非正規雇用労働者の処遇改善では「総額人件費管理のもとで考えるべきである」としました。
増加している内部留保を活用した賃上げについては正面から否定できず、企業の「競争力や成長力を高める」ために活用しており、「従業員の中長期的な処遇改善につながる」と言い訳に終始しました。
労働基準法改悪による「残業代ゼロ」制度の創設については、「高年収保障型成果給」実現法案と強調し、成立を強く要望するとしました。