2016年1月23日(土)
甘利大臣側への献金
脱税疑惑企業からも
13・14年 関連会社含め100万円
千葉県の建設会社から口利きの見返りに1200万円の供与を受けた疑惑が持たれている甘利明経済再生相。同氏が代表を務める自民党支部が、3億8千万円を脱税したとして起訴され公判中の企業とその関連会社からも計100万円の献金を受けていたことが22日、本紙の調べでわかりました。政治資金規正法には抵触しませんが、道義的観点から説明責任を問われます。 (「政治とカネ」取材班)
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道義的責任 問う声
本紙調べ
自民党神奈川県第十三選挙区支部の政治資金収支報告書によると、鹿児島県のマグロ養殖会社が2013年に20万円、14年に60万円を献金しています。また同社の関連会社である同県の海運会社と都内のゴルフ場会社も14年にそれぞれ8万円、12万円を献金しています。
養殖会社社長の父で実質的経営者の男性は15年2月、法人税や消費税約3億8千万円を脱税したとして鹿児島地検に逮捕されました。同氏は同社とともに法人税法違反や消費税法違反などの罪で起訴され、報道によると同年12月の初公判で起訴内容を認めています。
同社は11年3月までの1年間の所得を少なく申告することで脱税したとされています。有罪が確定すれば、同社は脱税で不当に利益を得た状態で献金したことになります。
「政治とカネ」の問題に詳しい政治資金オンブズマン共同代表の阪口徳雄弁護士は「違法でなくても、政治的、道義的にそのような脱税企業との『癒着』関係を示す献金は政治不信を一層助長する」と批判。「『返金する』などの対応でお茶を濁すことが多いが、大臣たる者は癒着や口利きがなかったかどうかについて、きちんと説明する責任がある」と指摘します。
3社は電話取材に、「献金の事実関係がわかる担当者が不在」と答えました。甘利氏の事務所は「政党機関紙からの質問には回答しない」と答えました。