2016年1月24日(日)
困窮学生の実態示した田村智子氏質問
給付制奨学金 ただちに
子どもたちの未来が家庭の経済事情で左右されてはならない―。安倍晋三首相が国会でこんな言葉を繰り返しています。しかし、日本は世界でも異常に大学の学費が高く、国としての給付制奨学金もありません。21日、日本共産党の田村智子議員が参院決算委員会で突きつけた困窮する学生たちの実態に「孫がいるけど本当にその通り」「日本の学費はあまりに高すぎる」と反響が次々寄せられました。
田村氏が取り上げた実例とは―。▽東京大学に授業料免除で入学したAさん。夕方4時〜深夜0時まで塾でアルバイト、午前1時半からやっと勉強する日々。講義がない日も日雇い派遣で1日7時間働くも、卒業後は奨学金という借金を300万円以上抱えました。▽私立大学1年生B君。奨学金を月12万円借り、深夜から早朝はアルバイト、自宅と大学の空き時間で仮眠をとるのみ。それでも授業料が滞納になり「これ以上大学にいても借金が増えるだけ」と中退を決意せざるを得ませんでした。
こうした学生の実態に対し首相は「学生の負担減免に努めている」などと弁明するのみ。
「大学に学びにきたのか、働きにきたのか分からない」。こう言った学生時代の友人を思い出すと胸が痛みます。
“家庭の経済事情で未来が左右されてはならない”というなら、学費の値下げ政策と首相も「政策の選択肢」と認めざるをえなかった給付制奨学金にただちに踏み出すべきです。(吉)