2016年1月31日(日)
甘利氏辞任 首相の責任は重大
今週の国会 日程白紙に
衆院予算委員会は当初、基本的質疑を2月1日以降に開始する方向で与野党が合意していました。しかし、口利き疑惑を抱えた甘利明前経済再生相が28日の説明会見で現金授受を認めざるをえなくなり、閣僚を辞任。政権の主要閣僚が代表質問の直後に辞めるという異例の事態のもと、国会の日程も白紙に戻っています。こうした状況のもと、与野党書記局長・幹事長会談が2月1日に予定されており、与党が今後の国会運営についてどのような方針を示すのかが焦点となっています。
日本共産党をはじめ野党側は「辞任で幕引きは許されない」「疑惑はますます深まっている」と強調。関係者の国会招致などで国会として真相を解明する必要があると主張しています。
20日の疑惑発覚以来、野党側は22日の政府4演説の前に甘利氏に説明責任を果たさせるよう要求しました。しかし、政府・与党側は、甘利氏が自ら現金を受け取ったかどうかの説明すらしていないのに政府4演説を行い、衆院本会議での甘利氏の経済演説は、抗議する野党6党が退席するなかで行われました。
甘利氏は「私は法に反する行為はしていない」「1週間以内には記憶を確認してお話しできる」と述べ、代表質問でも説明責任を回避。にもかかわらず、安倍晋三首相は「(甘利氏には)経済再生、TPP(環太平洋連携協定)をはじめとする重要な職務に引き続きまい進してもらいたい」(27日の参院本会議)などと続投方針を表明しました。その上、与党側は2月4日にニュージーランドで行われるTPP署名式に甘利氏を派遣する方針まで決めていました。
安倍政権の主要閣僚だった甘利氏が口利きを行った見返りに金銭を受け取った疑惑であり、甘利氏を任命し、最後までかばい続けてきた安倍首相自身の責任が問われています。