2016年1月31日(日)
石原経済再生相 金集めの実態は…
日歯連迂回献金・自分に「陣中見舞い」
14年 パー券収入「透明率」2.2%
口利き・金銭授受疑惑で辞任した甘利明氏の後任、石原伸晃(のぶてる)経済再生相(衆院東京8区)も、これまで再三、「政治とカネ」の問題がとりざたされてきた政治家です。その経歴や、カネ集めの実態をみてみると―。
(藤沢忠明)
石原氏は1990年の総選挙で、旧東京4区で初当選。2001年4月、小泉内閣の行政改革・規制改革担当相として初入閣し、国土交通相や自民党幹事長、政調会長などを歴任し、現在9期目。石原派を率いています。
国交相時代、迂回(うかい)献金疑惑が国会で取り上げられたことがあります。
5回の選挙応援
00年7月から02年5月までの間、歯科医が加盟する日本歯科医師会の政治団体、日本歯科医師連盟(日歯連)から自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)に1000万円ずつ4回、計4000万円が流れ、その直後に自民党本部をへて、石原氏が支部長を務める「自民党東京都第八選挙区支部」に渡っていたというもの。
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員(当時)が、1回目の00年7月11日付の国政協の1000万円の領収書に「石原伸晃」と読める文字があることを追及。穀田恵二衆院議員は、総選挙のあった03年の10月から11月8日までの短期間に石原氏が日歯連の臼田貞夫会長から5回もの選挙応援を受けるなど、密接な関係にあることを明らかにしました。
記載100万円だけ
14年の政治資金収支報告書によると、石原氏は第八選挙区支部と、資金管理団体「石原伸晃の会」で、計約1億2000万円を集めています。(図参照)
両団体とも多いのは、形を変えた企業・団体献金であるパーティー券収入。あわせて7800万円以上を集めました。このうち、1000万円以上の大規模パーティーは計4回で、計4454万円ですが、20万円超の購入者として記載されているのは、日本医師連盟の計100万円だけ。“透明率”は、わずか2・2%です。
助成金ため込み
政治団体からの献金は、日歯連の100万円、日本薬剤師連盟の130万円など計1284万円。企業献金では国交相を務めたためか、タクシー会社からの献金が目立ちます。
第八選挙区支部への自民党本部から1900万円の寄付は、すべて国民の税金である政党助成金です。14年12月の総選挙で、「陣中見舞い」として、石原氏本人に810万4348円を寄付しています。税金が本人に還流した格好です。
しかも、第八選挙区支部の政党交付金使途等報告書によると、407万8659円を使い残して、基金としてため込んでいます。
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