2016年2月8日(月)
北朝鮮 ミサイル発射
国際社会は厳しく批判
北朝鮮は7日午前9時31分(日本時間)ごろ、「人工衛星」の打ち上げを名目として、事実上の長距離弾道ミサイルを北西部の東倉里から発射しました。今回のミサイル発射は2012年12月12日以来、約3年ぶり。北朝鮮は1月6日に4回目の核実験を強行しており、国際社会は厳しく批判しています。
ミサイルは五つに分離し、午前9時45分ごろまでに黄海や東シナ海、太平洋などの海上に落下。分離したうちの一つは、北朝鮮が国際機関に通告した区域外に落下したものの、菅義偉官房長官は7日の記者会見で、日本領域には「落下していない」と述べました。
北朝鮮の朝鮮中央テレビは同日、特別重大報道で「地球観測衛星『光明星4号』の軌道進入に成功した」と伝えました。金正恩(キムジョンウン)第1書記が6日に発射を命令し、「衛星は軌道を周回している」としています。
衛星を打ち上げるロケットとミサイルで使われる技術は共通で、弾頭を搭載すれば兵器となります。国連安全保障理事会は09年、北朝鮮によるミサイル発射と2度目の核実験後に採択した制裁決議で「弾道ミサイル技術を使ったあらゆる発射」を禁じました。
発射を受けて、国連の潘基文(パンギムン)事務総長の報道官は「極めて遺憾だ」とする声明を発表。安保理の議長国ベネズエラは、緊急会合を米東部時間7日午前11時(日本時間8日午前1時)に開くことを明らかにしました。
米国のライス大統領補佐官は「地域を不安定にする挑発的な行為であり、安保理決議違反だ」と非難。中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局長も「遺憾」の意を表明し、関係国に対し、早期に対話・接触を再開し、情勢がエスカレートすることを避けるよう求めました。