2016年2月9日(火)
「介護離職ゼロ」はごまかし
堀内議員 対象限定の安倍政権
衆院予算委
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日本共産党の堀内照文議員は8日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が掲げる「介護離職ゼロ」のごまかしをあばき、介護保険制度の抜本的改善を迫りました。
政府は、「介護離職者ゼロ」と「特別養護老人ホーム待機者の解消」のため、介護の受け皿を2020年代初頭までに50万人分拡大すると宣伝しています。しかし実際は、すでにある38万人分の計画に12万人分を上積みしただけです。
堀内氏は、▽介護離職者は年間10万人を超えているのに、解消の対象を1万5000人に限定している▽特別養護老人ホーム待機者52万人に対し、解消の対象は15万人に限定している―ことを暴露。内閣官房が設置した専門委員会が2025年度にむけて病床削減を進めるなかで「将来…在宅医療等で追加的に対応する患者数」として推計した29・7万〜33・7万人も対象に含まれていないことも明らかにしました。
堀内氏は、昨年4月の介護報酬引き下げが経営を直撃した小規模事業所の所長が「死刑宣告されたに等しい」と悲痛な声を上げながらも、自らの給料を月8万円に引き下げて必死に持ちこたえている実態を紹介しました。
「安定的に介護サービスが提供されている」と繰り返し、実態を顧みない塩崎恭久厚労相。堀内氏は、介護報酬削減直前の昨年3月には事業所廃止届が4263件と倍加した事実を示し、なれ親しんだデイサービスやヘルパーがなくなるということだと批判し、「介護報酬を引き上げるべきだ」と追及しました。
また、堀内氏は、一番問題なのは介護職員の待遇だと、他産業と比較して賃金に10万円ほどの差があることを指摘。「介護離職ゼロというなら、まず介護職離職ゼロをめざすべきだ」と述べ、抜本的な賃上げを求めました。
さらに、塩崎厚労相の意向で設置された「懇談会」で、労働者をビデオで撮影し、一作業あたり何秒の無駄を削減できるかなど、トヨタの「カイゼン」手法を介護に導入する議論が行われていることを批判しました。