2016年2月9日(火)
アルゼンチン 公務員大量解雇に抗議
下旬にゼネスト計画
【サンパウロ=松島良尚】12年に及んだ中道左派政権に代わって昨年12月に発足したアルゼンチンの中道右派マクリ政権が、政府機構の近代化を理由に公務員の大量解雇を進めています。これに対し、労働者らは抗議活動を続け、今月下旬にはゼネストを計画しています。
新設の閣僚職に就いたイバラ近代化相は5日、契約労働の雇い止めや契約破棄によって解雇されたといわれる2万数千人に加え、新たに1万1千人の契約を見直すと発表しました。解雇の理由として欠勤や政治運動への参加などをあげました。
国家公務員連盟(ATE)やアルゼンチン労働者センター(CTA)などの労組はイバラ近代化相の解雇理由をただちに拒絶。ATEのゴディ書記長は、大量解雇は「国家の基本的な分野の構造を解体する戦略だ」と批判しています。
首都ブエノスアイレスでは、解雇反対の大規模な抗議活動が起こっています。
ATEは、組織的な解雇や電気、ガス料金引き上げ反対などをスローガンに掲げ、政府、州、自治体の全公務員に、24日にストライキを行うよう呼び掛けています。CTAもこれに合流する予定。
マクリ政権は、経済立て直しなどの期待を背景に誕生しました。発足直後から、前政権による貿易規制の見直しや為替変動相場制への移行、資本規制の撤廃などに着手しています。公務員の解雇もその一環です。
同政権の市場開放志向について、南米の左派勢力の中からは、「国民との衝突は避けられない。同政権は、新自由主義をどのように再編するかを示すだろう」などの声が上がっています。