2016年2月12日(金)
自民・藤井参院議員側に9700万円
薬剤師連盟 分散献金
規正法上限超え 3団体に分け
日本薬剤師会の政治団体「日本薬剤師連盟」(薬連)が、今年夏の参院選比例区で3選をめざす組織内候補の自民党・藤井基之参院議員の複数の関連政治団体に計9700万円の献金をしていたことが、本紙の調べでわかりました。政治資金規正法が定める政治団体間の寄付の上限額は5000万円で、規制の網をすりぬけるため、複数の団体に献金を分散させるという脱法的な行為です。(藤沢忠明)
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2014年の政治資金収支報告書によると、薬連は「藤井もとゆき中央後援会」に9月12日、1000万円の献金をしています。また、「全国藤井もとゆき薬剤師後援会」には12月19日、5000万円の献金をしています。(図参照)
この2団体はともに、薬連が入居する東京・四谷にあるビルの同じフロアに事務所を置いています。2団体の代表者は、薬連の会長も兼任する日本薬剤師会の会長が務めています。
いわば、薬連と一体の政治団体です。
さらに、薬連は藤井氏が支部長を務める「自民党東京都参議院比例区第十二支部」には、7月23日に500万円、11月13日に2500万円、12月17日に700万円の計3700万円を献金しています。
薬連から藤井議員側に9700万円の資金が提供されていたことになります。
政治資金規正法は、政治団体間の寄付の上限を5000万円としています。
これは、歯科医が加盟する日本歯科医師会の政治団体、日本歯科医師連盟(日歯連)が04年、自民党旧橋本派に対する1億円ヤミ献金事件が発覚したことをきっかけに、規正法が改正されたものです。しかし、昨年10月、その日歯連が10年と13年の参院選にからみ、支援する組織代表の国会議員2人の側に、5000万円を超える寄付を、別の政治団体を介在させて行っていた迂回(うかい)献金事件で元会長らが規制法違反で逮捕・起訴されました。
今回、明らかになった薬連の藤井議員側への5000万円超の献金は、日歯連の迂回献金とは形態を変えた“分散”疑惑として重大です。
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