2016年2月19日(金)
「自ら補償を提案」「産廃の埋設認識」
辰巳氏が追及 URが認める
甘利氏側の口利き受け便宜か
甘利明前経済再生相の金銭授受疑惑で18日、日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は決算委員会で、甘利氏側の口利きを受けた都市再生機構(UR)が、千葉県内の建設会社S興業側への補償を自ら同社に提案していたことを追及しました。UR側は事実関係を認めました。辰巳氏は甘利氏の疑惑はさらに深まったとして、同氏と関係者の証人喚問を改めて求めました。
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この問題では千葉ニュータウン整備に伴う県道工事に絡む補償問題について、道路用地に隣接する敷地で操業していたS興業側が甘利氏側に口利きを依頼。URから補償金を受けたS興業側から、甘利氏や当時の秘書が現金などの供与を受けていました。
辰巳氏はS興業が甘利氏側の助言でURに送った内容証明に、URが回答書で補償をいったん断りながら「別途、提案がある」として新たな補償を持ちかけていたことを指摘。UR側は事実を認め、「補償交渉を促進する必要があったため提示した」などと説明しました。
この補償ではS興業の敷地内で建物を移転させる費用として、2013年8月に2億2千万円の支払い契約が結ばれました。しかし現地に産業廃棄物が埋まっていることから千葉県の廃棄物指導課から指導が入り、再配置は不可能となりました。
辰巳氏はこの経緯を指摘しながら「URは産廃が埋設されていることを契約当時から知っていたのでは」と質問。URは「平成4(1992)年ごろ、当地と周辺の土質調査をした頃には知っていた」と答えました。
「ではなぜ補償したのか」と続けて尋ねた辰巳氏にURは「S興業が敷地内での移転を望んだ」と述べ、再配置ができないことについては「千葉県企業庁から情報がなかった」などと弁明しました。
辰巳氏は「再配置ができないことを知りながらUR側から補償を提案し、通常ありえない補償金支払契約を結んだ。甘利氏事務所が介在していたからだとしか考えられない」と指摘。「全容解明のために証人喚問を求める」と述べました。
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