2016年3月2日(水)
16年度予算案 衆院通過
共産党 組み替え動議提出し反対
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2016年度政府予算案(一般会計総額96兆7218億円)が1日、衆院本会議で採決され、自民、公明などの賛成多数で可決、参院に送付されました。日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党などは反対しました。
これに先立つ予算委員会で、日本共産党は予算案の抜本的な組み替え動議(別項)を提出。藤野保史議員が貧困と格差の是正は急務との立場から提案理由を説明しました。賛成は、日本共産党だけで可決には至りませんでした。
本会議で政府予算案に対する反対討論に立った日本共産党の畠山和也議員は、政府案は「貧困と格差の是正どころか国民には大増税を押し付け、財界・大企業の利益優先へ大盤振る舞いとなっている」と反対の理由を述べました。
安倍政権の3年間で実質賃金の低下など国民には「悪循環」が続いていると述べ、消費税10%への増税の中止を要求。社会保障の自然増削減も含め国民には負担増を求めながら史上最高の利益を上げる黒字大企業に1・6兆円もの大減税を行い、穴埋めに外形標準課税の拡大で中堅企業への増税を行うなど言語道断だと強調しました。
「地方創生」を言うなら農林漁業に大打撃を与えるTPP(環太平洋連携協定)の批准などやめるべきだと主張。戦争法を強行成立させたもとで5兆円を超える軍事費を盛り込み、アメリカの戦争支援体制を強化していると告発しました。
民主・維新が提出した組み替え動議について日本共産党は、貧困と格差を是正する点で部分的ではあるが「返済不要の給付型奨学金の創設」などは必要だとの立場から採決で賛成しましたが、賛成少数で可決には至りませんでした。
本会議では日本共産党が反対した予算関連4法案も採決。地方交付税法等改定案・地方税法等改定案の討論に立った大平喜信議員は政府は交付税制度を変質させようとしていると批判。池内さおり議員は、所得税法等改定案は大企業減税案などを盛り込んだもので、特例公債法案は5年間赤字国債の発行を自動的に認めるものだと批判しました。いずれも自民・公明などの賛成で可決されました。(関連記事)
日本共産党の予算案組み替え動議 (骨子)
日本共産党が1日、衆院予算委員会で提出した2016年度予算案の組み替え動議の骨子は以下の通りです。
(1)消費税増税と大企業減税を中止し、不公平税制をただす。
(2)「自然増削減」の名による社会保障の連続大改悪を中止し、拡充に転換する。
(3)賃上げを進め、人間らしく働ける雇用のルールを確立する。
(4)TPP(環太平洋連携協定)から撤退し、農業、中小・小規模企業など地域経済への支援を抜本的に強化する。
(5)地域経済と雇用を支える中小・小規模企業の経営をまもる。
(6)教育条件を拡充するための予算を大幅に増額し、教育への政治支配・介入を中止する。
(7)子育て支援の充実、「子どもの貧困」打開をすすめる。
(8)被災地の生活と生業の再建、復興の取り組みを抜本的に強化する。
(9)原発事故被害の全面賠償と救済を進める。「即時原発ゼロ」を決断し、「エネルギー基本計画」を見直す。再生エネルギーの導入を加速する。
(10)新規大型開発から、防災・老朽化対策を重視し、いのち・安全を最優先する公共事業と交通政策に転換する。
(11)住民の暮らしを守り、地域再生をすすめる地方財源を確保・保障する。
(12)沖縄・辺野古への米軍新基地建設を撤回し、初めて5兆円を突破した軍事費を大幅に削減する。
(13)企業・団体献金を全面禁止し、政党助成金を廃止する。