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2016年3月5日(土)

米韓が迎撃ミサイル配備協議

中国「6カ国協議に影響」懸念

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 米韓両国は4日、地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を在韓米軍に配備するための公式協議に入りました。一方、北朝鮮は同日、核弾頭を常に発射できる状態に置くと表明し、北朝鮮による核実験と事実上の弾道ミサイル発射に対する国連安保理の制裁強化決議に表れた国際社会の非核化要求を無視する姿勢を示しました。 (面川誠)


北朝鮮“核弾頭を常に準備”

 THAAD配備に向けた米韓協議はソウルの韓国国防省で始まり、配備場所、環境評価、費用などを話し合います。韓国国防省は「在韓米軍が運用することになるTHAADは、北朝鮮の増大する核とミサイルの脅威から韓国を防御することに寄与するだろう」と発表しました。

 韓国メディアによると、配備候補地とされている釜山などでは、THAADのレーダーが発する電磁波が人体に与える影響や、迎撃システムに使われる冷却水による環境汚染への懸念から、自治体や住民がすでに反対を表明しているといいます。

 一方、朝鮮中央通信は4日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記が「国家防衛のために、実戦配備した核弾頭を任意の瞬間に撃てるよう常に準備しなければならない」と述べたと報じました。北朝鮮政府は同日、「物理的な対応を含む断固とした措置を取る」とする声明を発表しました。

 こうした言動について韓国統一省報道官は同日の記者会見で、「(北朝鮮の)核弾頭小型化の技術は相当な水準に達したが、まだ実戦配備したと判断してはいない」と述べた上で、「韓米は北朝鮮の核(兵器)に対応した抑止戦略と4D作戦に基づいた対応体制ができている」と述べました。

 「4D作戦」は昨年11月の米韓国防相会談で合意したもので、北朝鮮の核・化学弾頭を含めたミサイルの脅威を「探知、かく乱、破壊、防衛」するために、有事の際にはミサイル発射を待たずに発射台などを攻撃することも含む内容です。

 米韓の公式協議入りを受けて、中国は北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議に悪影響を与えるとして反対を表明しました。ロシアも軍事力増強だとして反対しています。

 中国は、国連安保理決議の採決に向けて米国と協調しました。しかし、6カ国協議の中国首席代表を務める武大偉朝鮮半島問題特別代表は、4日付の韓国紙・毎日経済新聞のインタビューで、THAAD配備が6カ国協議に悪影響を与えるとの懸念を表明しました。

 「6カ国協議の主要議題が北朝鮮の非核化ではなくTHAADになるだろう」として、「中国とロシア、米国がTHAAD問題で毎日、論戦を繰り広げるようになる」と述べました。

 2日の安保理決議採決での意見表明で、中国は、韓国へのTHAAD配備が「中国や地域の他の国の戦略的な安全保障上の利益を損なう」と指摘。ロシアは「地域における軍事力増強を正当化するために北朝鮮の行動を利用する試み」だと米国を批判しました。


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