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2016年3月12日(土)

「難民交換」は国際法違反

国連人権弁務官が批判

EU・トルコ基本合意に

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 【パリ=島崎桂】ザイド・フセイン国連人権高等弁務官は10日、欧州への難民流入抑止策として欧州連合(EU)とトルコが先に基本合意した「難民交換」が「国際法と欧州の法に違反する」として、深刻な懸念を表明しました。ジュネーブの国連人権理事会で語りました。


 EUとトルコは7日、トルコからギリシャに流入したシリア難民を含む移民・難民らをトルコに送還した後、送還者と同数のシリア難民をトルコから受け入れることを軸とした難民対策案で合意しました。

 フセイン氏は、同案により「数多くの深刻な懸念が引き起こされている」と指摘。「とりわけ、予期される恣意(しい)的かつ集団的な(難民の)送還は違法だ」と厳しく批判しました。

 また、ギリシャに数万人の難民が滞留する原因となっている近隣諸国の国境管理の強化は「嘆かわしい」と非難。ハンガリーやポーランドなど、対難民で強硬姿勢をとる東欧諸国を念頭に「欧州で人種差別や不寛容、外国人嫌悪が高まっている」と訴えました。

 同案に対しては、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国際NGO、人権団体からも懸念や不満が上がっています。

 フセイン氏は、今月17、18の両日に予定するEU首脳会議を前にブリュッセルを訪問し、欧州各国と協議する意向を示しました。EUとトルコは同首脳会議を通じ、難民対策での最終合意を目指しています。


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