2016年3月14日(月)
田母神氏団体 収入の4割が使途不明
3団体の総額で5500万円
元航空幕僚長の田母神俊雄氏(67)の資金管理団体の政治資金をめぐる業務上横領事件で、同氏の関連する三つの政治団体が集めた政治資金の約4割にあたる約5500万円が「使途不明金」となっていたことが政治資金収支報告書でわかりました。
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田母神氏は、2014年1月、資金管理団体「東京を守り育てる都民の会」(現・田母神としおの会)を設立、翌月の東京都知事選に石原慎太郎元知事の支持を受けて立候補しましたが落選。同年12月、「次世代の党」(現・日本のこころを大切にする党)公認候補で東京12区から立候補した総選挙でも落選しました。
14年の政治資金収支報告書によると、「使途不明金」が計上されているのは、▽「田母神としおの会」が、5054万2268円▽田母神氏が代表を務める「次世代の党衆議院東京都第十二支部」が、487万2186円▽田母神氏の選挙対策本部事務局長だった男性が代表の「太陽の党参議院全国比例第1支部」が7万9504円―の計5549万3958円です。
3団体とも、14年当時、会計責任者は同一人物で、3団体の収支報告書には、使途不明金について、いずれも「元会計責任者による資金横領事件係争中につき不明」と記載されています。
収支報告書によると、田母神としおの会が、59人から153万4000円の会費、1億3112万円余の個人献金を集めるなど、3団体で計約1億4340万円の収入(各団体間のやりとり除く)があります。(図参照)
集めた政治資金のじつに38・7%、4割近くが「使途不明金」ということになります。
しかも、田母神としおの会は、「組織活動費」のなかで、「交際費」「接待交際費」の名目で、料亭や中華料理店、すし店、シーフードレストランなどで計79回、約123万円の飲み食いのほか、ゴルフ場への支出が5回、約8万円など、“政治活動”とは程遠い支出も。
田母神氏は、15年2月、田母神としおの会の資金に関し、元会計責任者が少なくとも3000万円を着服し、生活費や遊興費に流用したとして警視庁に告訴。一方で、同年12月には当時の選対幹部らが、元会計責任者だけでなく、田母神氏と選対事務局長も政治資金を着服していたとして、3人を業務上横領容疑で東京地検に告発、7日に田母神氏の事務所などが家宅捜索されました。
多くの個人から集めた政治資金をどう流用したのか、徹底的な解明が求められています。(「政治とカネ」取材班)
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