2016年3月19日(土)
主張
戦争法強行6カ月
施行をやめ、廃止法案審議せよ
安倍晋三政権が、憲法の平和主義と立憲主義を踏みにじり、戦争法を強行成立させて、きょうで6カ月です。アメリカが海外で起こす戦争への自衛隊の参戦に道を開く戦争法にたいする国民の批判と怒りは、おさまるどころかさらに広がりを見せています。日本共産党など野党5党は戦争法廃止法案を提出し、国会審議を求めています。安倍政権が29日にも戦争法を施行する構えのなか、国民の声をあくまで無視する政権の暴走を許さず、戦争法廃止の世論と運動をさらに強めることが急務です。
居直りを続ける首相
戦争法廃止や立憲主義回復を求める行動は3月に入っても、大きなうねりとなって広がり、大小さまざまな集会やデモが全国各地で行われています。廃止を求める「2000万署名」は、各地で広範な規模で進められています。
マスメディアの世論調査でも、「毎日」(7日付)で戦争法を「評価しない」が49%と、「評価する」37%を上回り、戦争法を推進した「読売」(17日付)でも賛否がきっこうするなど、国民の不安が払拭されていないことを示しています。
昨年9月19日、国民の怒りが沸騰するなか、戦争法成立を数の力で強行した直後には、安倍首相も国民への説明不足を口にし、丁寧に説明するとも述べていました。しかし、昨年中には野党が求めていた臨時国会も開かず、今年1月に開会した通常国会の施政方針演説では「『戦争法案』などという批判は全く根拠のないレッテル貼り」と開き直るありさまです。首相には、国民の疑問や不安に耳を傾ける姿勢がまったくありません。
安倍首相は先の自民党大会で、安保法制(戦争法)を廃止したら「日米同盟のきずなは大きく損なわれる」と述べるなど廃止を求める声を敵視する姿勢をあらわにしています。国民の安全を危険にさらしても「日米同盟」優先なのか。あまりにも異常な民意無視です。
戦争法の施行は、海外に派兵された自衛隊が戦後初めて「殺し殺される」事態を引き起こす危険を現実のものにするものです。中東での米国の対テロ戦争の「後方支援」を自衛隊が行うことも法的に可能になっています。改定PKO(国連平和維持活動)法によりアフリカの南スーダンなどに派遣される自衛隊の任務が拡大され、武力行使をするおそれも浮き彫りになっています。深刻な犠牲を生みかねない戦争法をこのまま施行させることは絶対に許されません。
安倍政権が来年度予算案で5兆円を突破する異常な軍事予算を編成し、18日公表の高校教科書検定でも安全保障問題で政府見解に沿う記述に変更させるなど、戦争準備を急いでいることは重大です。
安倍政権打倒へ力合わせ
日本共産党、民主党、維新の党、生活の党、社民党の野党5党は、戦争法強行5カ月の2月19日に、衆院に廃止法案を提出、5党首で戦争法廃止、安倍政権打倒に向け国会や国政選挙での協力を合意しました。国民の切実な願いにこたえ、戦争法の現実的な危険を阻止するためです。安倍政権と自民・公明の与党は、廃止法案審議に応じようとしませんが、廃止法案の早期審議入りこそ求められます。
市民と野党5党がさらに力を合わせ安倍政権を追い詰め、国政選挙でも与党と補完勢力を少数に追い込むことが重要です。