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2016年3月29日(火)

ミャンマー NLD新政権 来月発足

少数派イスラム教徒

差別政策解消に期待

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(写真)ヤンゴン市内にあるイスラム教徒住民が多く暮らす地区=27日(松本眞志撮影)

 【ヤンゴン=松本眞志】ミャンマーで国民民主連盟(NLD)主導の新政権が4月1日に発足します。新政権に寄せる国民の支持は強く、これまでの政権下で冷遇されてきたと感じている少数派イスラム教徒も、新政権が掲げる「和解」と「変革」がどう実現されるのか、期待を高めています。

 最大都市ヤンゴンで暮らすネイ・リン・アウンさん(74)もそのひとり。アウンさんは27日に、「軍政下では、重要なポストのほとんどを仏教徒のビルマ族が占め、少数民族やイスラム教徒、キリスト教徒は重要な地位に就くことはできなかった。NLDは少数民族に対する差別をなくす政策を持っている」と希望を語りました。

 ミャンマー国民の9割は仏教徒。イスラム教徒住民は全人口の4%で約200万人です。ヤンゴンにはモスク(イスラム教の礼拝所)もあちこちで見られ、イスラム教徒が多く暮らす地区も存在します。彼らの多くは昨年11月実施の総選挙ではNLDを支持したといいます。

 同国西部のラカイン州では、ロヒンギャと呼ばれるイスラム教徒少数民族が旧政権によって「不法入国者」として扱われ、国外への大量脱出が相次ぎました。テイン・セイン政権は「差別政策の結果ではない」と国際社会に釈明しています。

 2014年にはラカイン州で仏教徒によるロヒンギャ襲撃事件が続発し、多数の死者が出ました。

 NLDのアウン・サン・スー・チー党首は選挙期間中、少数民族に対する差別政策を撤廃し、イスラム教徒に配慮する姿勢を示しました。これに対して仏教徒のラカイン族住民が反発しました。

 地元の少数民族研究者ネイン・チャン・イェ氏(35)は、「もともとラカイン族住民には、ミャンマーで最初に仏教が伝来した土地だとの自負があり、伝統的に中央政府への反感がある」と指摘。さらに軍事政権下でのロヒンギャ差別政策が反イスラム感情を助長し、スー・チー氏やNLDへの反感につながった側面もあると説明しました。

 テイン・セイン政権は昨年、反イスラムを公言する仏教僧団体の要求を受け入れ、当局の許可がなければ仏教徒女性と異教徒が結婚できないとする法律を成立させました。

 この法律を「女性とイスラム教徒に対する差別」だとして反対したNLDは、法律を廃止する方針。最近の世論調査では、回答者の91%が宗教に基づく差別に反対しており、NLDにとって追い風となっています。


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