2016年4月3日(日)
パソナへの「辞めさせ出向」
田辺三菱製薬が撤回
小池議員追及実る
リストラ対象の労働者をパソナ(竹中平蔵会長)グループの転職支援会社「日本雇用創出機構」に出向させ、転職先を探させようとしていた田辺三菱製薬(本社・大阪市中央区)が、「辞めさせ出向」を撤回したことが2日、わかりました。
パソナの転職支援会社への出向は、労働者本人に退職後の再就職先を探させるもので、「辞めさせ出向部屋」とよばれています。
この問題をめぐって3月24日、日本共産党の小池晃議員が参院厚生労働委員会で追及。塩崎恭久厚労相は「人事権を乱用して出向させて再就職先を探させるのは不適切」と答弁し、「しっかり調査する」と表明していました。
田辺三菱製薬は昨年10月、12月までに早期退職を募集すると発表。634人が早期退職に応募しました。応じなかった労働者約30人に、「あなたにしてもらう仕事はありません」などとのべ、日本雇用創出機構に出向する辞令を出しました。
しかし、出向日である4月1日、同社は「厚労省から指導があったため、出向をやめてほしい」とパソナから連絡が入ったとして、出向を撤回しました。
リストラ対象の労働者に対して田辺三菱製薬は、昨年11月から今年2月までの4カ月間で、早期退職への応募やパソナへの見学などを求める“面談”を10回程度実施。退職に応じた労働者では10回を大幅に超える“面談”をされた人もいたといいます。
同社の関係者は、「小池議員の質問の効果で、パソナ出向がとりやめになりました。引き続き奮闘してほしい」と話しています。また今後、リストラ対象となった労働者が、社内にある「追い出し部屋」に異動させられることから「会社に残れるような国の対応が必要だ」と語っています。