2016年4月10日(日)
甘利氏口利き 強制捜査
金銭授受疑惑 URなど捜索
甘利明前経済再生担当相の金銭授受疑惑で、東京地検特捜部は8日、甘利氏側に現金を渡したとされる千葉県の建設会社「薩摩興業」(千葉県白井市)と、同社が補償交渉をしていた都市再生機構(UR)の千葉業務部(同印西市)などを強制捜査しました。捜査が本格化したことで、同氏をめぐる疑惑は新たな局面を迎えました。
特捜部は、薩摩興業側から甘利氏側への現金授受があっせん利得処罰法違反に当たるかどうかなどを捜査するとみられます。政治家や秘書が口利きの見返りに対価を受け取ると、同法違反になります。
URの説明によると、2013年6月以降、甘利氏の当時の秘書と職員が12回にわたり面談していました。
これまでにURが支払った補償額は、報道などによると少なくとも約2億8700万円に上ります。秘書はUR側に「甘利事務所の顔をたててもらえないか」などと要請していました。
甘利氏は今年1月の釈明会見で、13年11月に大臣室、14年2月に神奈川県大和市の地元事務所で各50万円を薩摩興業側から受け取ったと説明。秘書も計500万円を受け取りながら、300万円を私的に流用し、政治資金報告書に記載していませんでした。
特捜部は、すでにURの担当職員や薩摩興業の元総務担当者から任意で事情聴取しています。
説明責任強く要求 志位委員長
日本共産党の志位和夫委員長は9日、甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題をめぐり東京地検特捜部が関係先を強制捜査したことについて、「厳正な捜査が必要だ。ご本人は、この問題で一貫して発言していない。説明責任を強く求めたい。内閣にも自民党にも求めたい」と述べ、引き続き国会招致を求めていくことを表明しました。千葉県習志野市での街頭演説後、記者団に答えました。